外国人と結婚するときに一番気になる点の1つが結婚後の苗字です。日本のように、旦那の姓を名乗るのか、それとも旦那の姓と自分の姓の2つを持つことができるのか、気になりますよね。今日は、スイス人との国際結婚を例に国際結婚後の苗字について徹底解説です。
姓の選択
国によって選ぶことのできる姓の選択肢は異なりますが、スイスで国際結婚をした際は3パターンの苗字の選択肢があります。
夫婦別姓場合
国際結婚で一番多いパターンは夫婦別姓かと思います。
日本人同士の結婚の場合は夫婦別姓は法律で禁じられていますが、国際結婚の場合は夫婦別姓の選択をすることが可能です。
日本にある書類など、全て変更せずに済むので最も楽ができる選択肢のため多くの人が選択をしており、一番のお勧めの選択肢です。
スイスの姓に関するルールは頻繁に改正されており、以前は公式に複合姓(例 Müller-Tanakaなど)を使用することができましたが、現在はスイスの法律で禁止されています。
但し、文書(Eメールや職場)やパスポートでは非公式に夫の苗字−妻の苗字を名乗ることはできるので、非公式に仕事探しや家探しの際は非公式に複合姓を名乗ることがお勧めです。
注意
複合姓を名乗る事のできる国で複合姓を選択した場合は、日本で6カ月以内に戸籍変更の届け出をする場合でも家庭裁判所への申し立てをする必要があります。
家庭裁判所の申し立てでは、姓の変更理由について書かれた陳述書の内容が重要となるので、弾かれてしまわぬように事前にしっかりと考えて申請しましょう。
旦那の姓を名乗る場合
日本と同様に旦那の姓を名乗る選択肢があります。
但し、スイスでの国際結婚で旦那の姓を名乗る場合は日本の家庭裁判所で手続きを行う必要があります。
結婚する国によっては6カ月以内に市役所に指名の変更を届け出ることで旦那の姓に変更することがきます。
但し、日本の戸籍上はアルファベットの入力ができないので、カタカナ記入での届け出となります。
また、日本にある書類を含む全ての書類の苗字を変えなければならないため、かなり手間が掛かることが予想されます。
特別、旦那の苗字を名乗りたい!と言う強い希望がない限りはあまりお勧めしません。
注意
旦那の姓に変更する場合は以下の持ち物が必要となります。
婚姻から6カ月以内の場合
・氏変更届 2部(役所、領事館で取得可能)
・戸籍謄本 2部(役所に婚姻届と同時提出の場合は不要、領事館の場合は必須)
婚姻から6ヶ月を過ぎて家庭裁判所に申し立てる場合
・氏の変更許可申請書
・戸籍謄本
・印鑑
・収入印紙
・配偶者の外国人登録証明書(配偶者が日本在住の場合)
・配偶者のパスポート
妻の姓を名乗る場合
あまり一般的ではないかもしれませんが、日本の婿養子のように旦那が日本の姓を名乗ることも可能です。
ただ、外国に済む場合は職探しや住居の審査などの際に外国人の姓であることによって審査に落ちてしまう場合も多々あるので、日本以外で生活するカップルにはお勧めしません。
但し、逆に日本で生活するカップルは日本の姓がある事で優遇される場合もあるかと思うので検討してみると良いかもしれません。
子供の苗字
結婚後、もう1つ出てくる問題が子供の苗字です。
子供の苗字は少しややこしいでの、子供の名前を ケン とし、
旦那の苗字 ミュラー
妻の苗字 田中
という仮の苗字を用いて解説したいと思います。
旦那の姓を名乗る場合
旦那の姓を選んだ場合は旦那の姓を用いて、ミュラー ケン という名前になります。
妻の姓を名乗る場合
妻の姓を選んだ場合は妻の姓を用いて、田中 ケン という名前になります。
夫婦別姓の場合
問題となるのが、この夫婦別姓の場合です。
両親が夫婦別姓の場合、母の苗字を取るのか、夫の苗字を取るのか、と難しい選択肢を迫られることとなります。
もし日本で子供を産んだ場合、生まれた子供は自動的に母方の苗字になります。
そのためスイスに住んでいても母の苗字が田中であれば日本での戸籍名は 田中 ケン と日本風な名前になります。
しかし、旦那さんが苗字を変えておらず、スイスで子供の名前を旦那の苗字で子供の出生届を出した場合は、スイスでの子供の名前は ミュラー ケン となりのスイスと日本で戸籍の名前が2つあることとなります。
但し、日本で出産した場合でも生後半年以内に戸籍変更をした場合はスイスの苗字 ミュラーケン に変更することが可能です。
この場合、スイスの姓である夫と子供の苗字が同じで、日本姓である妻の苗字のみが異なることとなります。
スイスで生活する場合には外国姓で不利益を被ることも無きにしも非ずなので、日本で子供を産んだ場合はスイスの姓に変更することをお勧めします。
(日本で生活をする場合は日本の姓がお勧めです。)
また、子供が大きくなってからは理解できるようになるかもしれませんが、子供が小さい時のことを考えると混乱を招く可能性がありますのでなるべく、日本とスイスの戸籍名を合わせる方がベターでしょう。
まとめ
結婚後の名前を左右する苗字の選択は人生の中でも重要な選択の1つであると思います。
それぞれの苗字の選択にあたり、メリット、デメリットがありますが、今後の人生を左右する選択でもあると思います。
また、将来的には自分のみではなく、子供の人生も左右することになりかねません。
煩雑な手続きで大変な場合もありますが、その後のことを考えるときっちりと考えて手続きを行うべき選択でもあります。
これから国際結婚をする人で姓の選択に悩んでいる方のお役に立ったら嬉しいです。
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