はじめに
ドイツ語を学ぶ上で絶対に通らなければならない文法の1つ、助動詞(Modalverb)。
意味や語感が英語の助動詞と似ているので、比較的理解しやすい項目の1つではあります。
ただ、ドイツ語の助動詞には過去形や英語にない表現もあるため、少し混乱することもあるかもしれません。日常会話の中で欠かすことのできない、助動詞の表現を今回一緒にマスターしていきましょう。
助動詞の種類

そもそも助動詞ってなあに?

助動詞は文字通り、「動詞を助けてくれる」役割を持ってるよ。
英語だと I can speak English の「can」、
日本語だと 英語を話すことができますの「できます」が
助動詞だよ。
助動詞を理解するだけで、表現の幅が格段に上げることができます。
それでは早速、ひとつずつ詳しく勉強していきましょう。
können:「~できる」「~かもしれない」
現在形・活用表


黄色と青いマークの助動詞はそれぞれ活用が同じだね!

うしさん!その通り‼!
一人称(ich)と三人称(er/sie/es)、
複数形の一人称(wir)と三人称(Sie)はいつも同じ活用系だよ!
人と物の能力(~できる),
Kann ich Ihnen helfen?
(何かお手伝いできますか?)
Der Saal kann bis zu 300 Personen aufnehmen.
(このホールは100名まで収容可能です。)
可能性、許可 (~できる)
Ich kann wegen des Lärms nicht schlafen
(わたしは騒音のために眠ることができません。)
丁寧な質問、依頼 (〜できますでしょうか、していただけますでしょうか)
Kann ich etwas für Sie tun?
(何かお役にたてますか?)
Können Sie mir sagen wie späte es ist?
(何時か教えていただけますか?)
推測(〜かもしれない)
Es kann auch ein Trick sein.
(それはトリックかもしれない。)
否定詞と一緒に使うことで、強い否定の推量を表すこともできます。
Das kann ich doch nicht wahr sein.
(それが真実である訳が無い)
完了不定詞と一緒に使う事で、過去の出来事の推測を表すこともできます。
Das Paket kann verlorengegangene sein.
(小包は無くなってしまったのかもしれません。)
dürfen:「~してよい」「~してはならない」
現在形・活用表

許可 (~してよい、~してもかまわない)
Darf ich etwas fragen?
(質問しても良いですか?)
丁寧な依頼、質問 (~してよろしいでしょうか)
Darf ich Ihnen noch einen Kaffee anbieten?
(コーヒーをもう一杯差し上げましょうか。)
禁止 (~してはならない)
Hier darf man nicht rauchen.
(ここは禁煙です。)
禁止の表現を使う場合は必ず否定詞(nicht,kein など)とセットで使います。
wollen:「〜するつもり」「~しそう」「~と主張する」
現在形・活用表

意志、意図(〜しようと思う、〜するつもりだ)
Wohin willst du gehen?
(どこに行くつもりですか?)
提案(〜しましょう)
Wir wollen jetzt nach Hause gehen.
(さあ、家に帰りましょう。)
Wollen wir heute ins Kino gehen?
(今日映画にいきませんか?)
丁寧な要求(どうぞ〜してください)
丁寧な要求のWollenは必ずSieとセットで使います。
Wollen Sie bitte Platz nehmen?
(どうぞ、お座りくださいますか?)
主張(〜と主張する)
Er will dich gestern gesehen haben.
(彼は昨日、君を見かけたと主張している。)
火曜サスペンスに出てきそうな会話文ですね。
mögen:「~が好き」「~すればよい」「おそらく~だろう」
現在形・活用表

好み (〜が好き)
Ich mag nicht mit dem Zug fahren.
(私は電車での旅行が嫌いです。)
möchten:「~できる」「~かもしれない」
現在形・活用表

控えめな要求(〜がしたい)
Ich möchte Herrn Müller sprechen.
(ミュラーさんと話がしたいです。)
sollen:「~した方がいよい」「~するに決まっている」「~らしい」
現在形・活用表

要求、意図(〜すべき、〜しましょうか)
Er soll sofort zu mir kommen.
(私のところにすぐ来て欲しい。)
直訳は、「私のところに来るべき」となりますが、「〜してほしいなあ」という訳になります。
Über das Problem sollen wir genauer sprechen.
(この問題についてもっと詳しく話すべきです。)
要望、混乱(〜はどうしたら良いですが?)
Wo soll ich auf Sie warten?
(どこであなたを待てば良いですか?)
Wem soll ich nun glauben?
(私は誰を信じるべきなのでしょう?)
運命的な必然性(〜するに決まっている、どうしようもなく〜する)
Es hat nicht sollen sein.
(そういうことになりませんでした。)
反論(〜だと思ってるのか)
Was soll das heißen?
(これは一体どういうつもりですか。)
Woher soll ich das wissen?
(私がそんなことわかると思いますか。)
直訳は、私はどこからそれを知るべきなの?となります。
伝聞(〜らしい)
Er soll in Osaka sein.
(彼は大阪にいるらしい。)
müssen:「~できる」「~かもしれない」
現在形・活用表

不可避(〜しなければならない)
Wir müssen zu fuß gehen.
(私たちは歩いていかないといけません。)
Du musst dich beeilen.
(急がないといけません。)
おまけ 確度を表す単語
助動詞と一緒に使うと便利なのが、確度を表す言葉たちです。

Ich kann definitiv die Prüfung bestehen.
(私は絶対試験に合格できる!)
ただ単に、”Ich kann die Prüfung bestehen.”というよりも、強調されて、ドイツ語マスターのようですよね。
ぜひ、併せて勉強してみましょう。
まとめ
助動詞は日常会話の中で頻出する、とても重要な文法の1つです。
助動詞が使えるだけで、一気に会話の幅が広がるのでぜひマスターしましょう。
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