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城崎温泉のバリアフリー|外湯7軒の現況と車いす散策の実際

・約17分で読めますすいすいトラベル 編集部
このページの要点

城崎温泉は、外湯7軒すべてが「スロープ有・介助人の入場可」と公式に表記されている、全国でも珍しいバリアフリー志向の温泉地です。 ただし2026年8月現在、さとの湯は建て替え工事で休業中、鴻の湯は10月30日まで長期休館、介助入浴に使えた一の湯・地蔵湯の家族風呂も休止中。稼働しているのは5軒で、車いす貸出のある外湯は一の湯だけです。街は平坦ですが、川沿いの橋や踏切には段差があります。先に「どこで入るか」を決め、そこから宿と動線を組むのが失敗しない順番です。

この記事は、車椅子を使う方、歩くのが不安なご高齢の方、杖や介助が必要な方と城崎温泉へ行くための実務ガイドです。「城崎はバリアフリーらしい」という評判は本当ですが、評判どおりの部分と、いま現地で止まっている部分が混ざっています。そこを切り分けて書きました。

情報源:城崎温泉観光協会の公式サイトとお知らせ、同協会が発行する「城崎温泉ユニバーサルマップ」、城崎ユニバーサルツーリズム(NPO法人ぷろじぇくとPlus)の各サービスページ、兵庫県公式「兵庫観光ナビ ユニバーサルツーリズム」、JRおでかけネットの駅バリアフリー情報。いずれも2026年8月4日時点で直接確認したものです。営業状況は工事の進捗で変わるため、日程が決まったら必ず最新のお知らせを確認してください。

結論:城崎は「街」より先に「入浴の手段」を決める

城崎の計画は、宿から決めると失敗します。外湯が使えるか、宿の風呂で介助できるか、ヘルパーを呼ぶか——入浴の手段を先に決めると、宿も動線も自動的に絞られます。

城崎温泉は「駅が玄関、通りが廊下、旅館が客室、外湯が大浴場」というコンセプトで知られる街です。温泉街そのものが一つの宿のように設計されているので、他の温泉地なら宿の中で完結する「風呂に入る」という行為が、城崎では街に出る行為になります。ここがバリアフリーの観点でいちばん重要な特徴です。

つまり「宿を予約したあとで、風呂に入れないことが分かる」という事故が起きやすい。逆に言えば、入浴の手段を先に確定すれば、宿の候補も歩く距離も自然に決まります。城崎で用意されている入浴の手段は、大きく3つです。

入浴の手段何ができるか向いている人押さえるべき制約
外湯に入る7軒すべてスロープ有・介助人の入場可(観光協会マップ)。入浴用車椅子3台・杖30本が外湯に配備自力または軽い介助で浴室まで行ける方2026年8月現在の稼働は5軒。貸出のある外湯は一の湯のみ。脱衣室・洗い場の段差までは保証されない
宿の貸切風呂・部屋付きの風呂を使う同行者と一緒に入れる。人目を気にせず時間をかけられる介助が必要だが家族で対応できる方但馬の宿は貸切風呂・介助入浴に対応73%と全県平均(52%)より高い。ただし大浴場で車椅子を使えるのは13%
湯あみヘルパーを呼ぶ専門スタッフ2名が90分・20,000円で入浴を介助(城崎ユニバーサルツーリズム)家族だけでは介助が難しい方対応は3施設のみ(西村屋ホテル招月庭/千年の湯 古まん/城崎温泉 あさぎり荘)。1カ月前までに相談が目安

この表の3行目が、城崎がほかの温泉地と決定的に違う点です。「介助が必要だから温泉は諦める」の一歩手前に、お金を払えば専門職が来てくれるという選択肢が制度として用意されている温泉地は多くありません。値段だけ見ると高く感じますが、家族が介助の不安を抱えたまま旅行するコストと比べれば、検討する価値はあります。詳しくは後述します。

外湯7軒のバリアフリー早見表(2026年8月の稼働状況つき)

7軒すべてが「スロープ有」「介助人の入場可」。ただし車いす貸出があるのは2軒だけで、そのうち1軒(さとの湯)は現在休業中です。

城崎温泉観光協会が発行している「城崎温泉ユニバーサルマップ」(表記は令和2年3月現在)には、外湯7軒それぞれにバリアフリーの表記が付いています。これを、公式サイトの営業情報と最新のお知らせと突き合わせて一覧にしたのが次の表です。

外湯マップの表記営業時間 / 定休2026年8月の状況電話
一の湯スロープ有 / 車いす貸出可 / 介助人の入場可7:00〜23:00 / 水曜営業中。貸出のある唯一の外湯。家族風呂は休止中0796-32-2229
地蔵湯スロープ有 / 介助人の入場可7:00〜23:00 / 月曜営業中。エントランス約80㎡を張り替え、スロープと手すりを設置済み(令和7年度事業)。家族風呂は休止中0796-32-2228
柳湯スロープ有 / 介助人の入場可15:00〜23:00 / 木曜営業中。足湯を底上げし車椅子用スペースを確保する改修が実施済み(令和7年度事業)0796-32-2097
御所の湯スロープ有 / 介助人の入場可7:00〜23:00 / 木曜営業中。露天風呂主体で開放感がある0796-32-2230
まんだら湯スロープ有 / 介助人の入場可15:00〜23:00 / 水曜営業中。鴻の湯の休館中は水曜も臨時営業(開湯は15時)0796-32-2194
鴻の湯スロープ有 / 介助人の入場可7:00〜23:00 / 火曜2026年5月11日〜10月30日(予定)長期休館(施設の長寿命化工事)0796-32-2195
さとの湯スロープ有 / 車いす貸出可 / 介助人の入場可建て替え工事で休業中。足湯も2025年10月15日で終了0796-32-0111

入浴料は大人800円・小人400円(小人は3歳から小学生)。最終受付は営業終了の30分前です(城崎温泉観光協会)。観光協会の宿泊プラン一覧を見ると「外湯めぐり券付」「外湯チケット付」のプランが多数あり、宿泊すれば実質無料で回れることが多いのですが、日帰りで来る場合は1軒ずつ払うという点は押さえておいてください。

「介助人の入場可」が7軒すべてに書かれているのは、実は大きな意味があります。公衆浴場は同性の家族以外は入れないのが原則ですが、城崎のマップには家族湯の案内として「介助者について…名札をつける等、介助者と分かれば着衣での入場可」と明記されています。つまり、異性の介助者が服を着たまま浴室に付き添えるという運用が想定されているということです。これは「介助が必要な人を排除しない」という意思表示であり、多くの温泉地では曖昧なまま断られる部分です。

設備面でもう一つ知っておきたいのが、令和6年度に外湯へ配備された備品です。城崎温泉観光協会の「城崎温泉ユニバーサル情報」によると、入浴用車椅子3台が3か所の外湯に、館内移動支援用の杖30本が全外湯に設置されました。入浴用車椅子は濡れても使えるタイプで、脱衣室から洗い場までの移動に使うものです。どの外湯に置かれているかはページ上に明記がないため、必要な方は、駅前の城崎温泉観光センター(0796-32-4142)または各外湯へ電話で確認してから向かうのが確実です(外湯の電話番号は前掲の表に載せています)。

また令和7年度の事業として、全外湯に「触って見分けられるJIS規格の刻み」と「イラストで用途がわかる」ユニバーサルデザインボトル(シャンプー・ボディーソープ)を設置したことが公表されています。視覚に不安がある方や、眼鏡を外すと判別できない方にとっては、地味ですが効く改善です。

2026年、城崎で起きている3つの変化

ネットに出回っている城崎のバリアフリー情報は、いま現地と食い違っています。理由は、この1年で3つの重要な設備が同時に止まったからです。

検索して出てくる「城崎温泉 バリアフリー」の記事の多くは、さとの湯の車いす貸出家族風呂での介助入浴を前提に書かれています。ところが2026年8月現在、そのどちらも使えません。順に確認します。

いつ何が起きたかバリアフリー上の影響
2025年10月15日までさとの湯が建て替え工事で休業。継続していた足湯も終了(観光協会お知らせ 2025.09.26)駅から最も近く、車いす貸出があり、屋上展望風呂もある外湯が消えた。「駅に着いてすぐ一風呂」の動線が使えない
2026年2月4日〜一の湯・地蔵湯の家族風呂が利用休止。「施設の老朽化に伴い大規模な修繕が必要なため」(同 2026.02.04)外湯で介助入浴をする最有力の手段が止まった。3,150円/40分・定員3名で介助者が着衣で入れる仕組みだった
2026年5月11日〜10月30日(予定)鴻の湯が長期休館。「施設の長寿命化工事として、緊急性の高い箇所の改修のため」(同 2026.05.11)温泉街の最も奥にある外湯が休止。代わりにまんだら湯が定休日(水曜)も臨時営業(開湯15時)
2025年12月26日〜愛宕山(城崎文芸館裏)登り口で土砂崩れ。大師山ハイキングコースが当面通行止め(同 2026.03.17/復旧時期未定)もともと「坂道長く段差有、車いす困難」の区間。ロープウェイ方面の散策は計画に入れない

なぜこれが起きているのか。城崎の外湯は歴史的な公衆浴場で、建物自体が古い。地蔵湯のエントランス改修や柳湯の足湯改修のようなバリアフリー化の投資が進む一方で、建て替えや大規模修繕も同時に走っているという状態です。長い目で見れば街は確実に良くなっていますが、いま行く人にとっては「使えるものが減っている時期」にあたります。

ここから導かれる実務的な結論は一つです。城崎に関しては、古い記事や口コミを信じないこと。日程が決まったら、①城崎温泉観光協会のお知らせ(休館情報)、②行く予定の外湯の営業日、③宿の風呂の介助可否——この3つを電話1本ずつで確認してください。とくに家族風呂と鴻の湯は、再開時期が公表されていないため、行く直前まで状況が変わり得ます

なお、兵庫県公式の「兵庫観光ナビ」にも城崎温泉街は掲載されていますが、設備欄はほぼ空欄で、車いす使用者対応トイレの記載すらありません。これは「設備が無い」という意味ではなく、温泉街という広いエリアが1件として登録されているため、申告できる主体がいないというだけです(県全体のデータの読み方は兵庫 バリアフリー 観光地にまとめました)。実際には、外湯・駅・観光センターに障害者用トイレがあります。県のデータだけを見て城崎を候補から外すのは、明らかにもったいない判断です。

街は本当にフラットか——「車いす困難」と名指しされた場所

温泉街の本通りは平坦です。ただし観光協会のマップ自身が、4か所を「車いす困難」または「段差注意」と名指ししています。避けるべき場所を先に知っておけば、街歩きは驚くほど楽になります。

城崎温泉は大谿川(おおたにがわ)に沿って柳並木が続く、基本的に平坦な温泉街です。兵庫県公式の特集でも「街全体がフラットなつくりとなっており、店や宿と道路の間にも段差はなく」と紹介されています。ただし川が街の真ん中を流れているということは、橋を渡る場所があるということでもあります。

場所マップの表記どうするか
大谿川の橋(愛宕橋・柳湯橋・桃島橋・弁天橋の周辺)「階段あり、車いす困難」北柳通りと南柳通りを行き来する場所を選ぶ。段差のない交差点まで回り込む
東山公園・大谿橋の周辺「階段あり、車いす困難」東山方面の散策は計画に入れない
地蔵湯橋〜さとの湯付近の線路横断「踏切、段差注意!」踏切のレール溝でキャスターが取られる。斜めに渡らず、直角にゆっくり
城崎健康福祉センター周辺「砂利道、車いす困難」砂利は自走がほぼ不可能。ルートから外す
大師山ロープウェイ方面「坂道長く段差有、車いす困難」さらに2025年12月から登り口が通行止め。行かない
城崎文芸館の前「段差あり」足湯・手湯の利用は可能。入口の段差は係員に相談

逆に、マップが「通りやすい」と評価している道もあります。木屋町通りは「車の通りが少ない」、北柳通りは「南柳通りよりも車は少ない」と明記されており、駅通り(駅前の大通り)は「車の通りが多いため注意!」とされています。車椅子や歩行に不安のある方は、駅通りを長く歩かず、早めに川沿いの柳並木側へ入るのが安全です。

そして、この記事でいちばんお伝えしたい数字がベンチです。同じマップには「ベンチ設置基数」という囲みがあり、屋外に設置してあるベンチの数が通りごとに示されています(レストランやカフェのものを除く)。

通り屋外ベンチの数(おおよそ)歩く計画への意味
湯の里通り約23基圧倒的に多い。休み休み歩くなら最優先のルート。御所の湯〜一の湯〜柳湯の区間
南柳通り約8基柳並木沿い。ベンチは点在するが車は北柳通りより多い
駅前通り約7基駅からの入口。ただし「車の通りが多いため注意」
木屋町通り約5基車の通りが少ない。落ち着いて進めるが休憩点は少なめ
北柳通り約4基車は少ないがベンチが最も少ない。長い滞在には向かない

「湯の里通りに約23基」という事実は、そのままルート設計の答えになります。歩ける距離が短い方、疲れやすい方と回るなら、湯の里通りを主軸に据えて、そこから外湯へ出入りするのが最も無理がありません。しかも湯の里通りは、御所の湯・一の湯・柳湯という外湯が最も密集している区間でもあります。

外湯どうしの距離も、マップに実測値が示されています。一の湯〜柳湯は約100m、御所の湯〜一の湯は約200mと、中心部は非常に近い。一方で鴻の湯〜御所の湯は約500m地蔵湯〜さとの湯は約400mと、両端は離れます。

区間距離(マップ表記)目安
一の湯 → 柳湯約100m最短。ここだけなら車椅子でも負担は小さい
御所の湯 → 一の湯約200m湯の里通りの中心。ベンチも多い
鴻の湯 → まんだら湯約300m温泉街の最奥側(鴻の湯は現在休館)
まんだら湯 → 御所の湯約300m
柳湯 → 地蔵湯約300m
地蔵湯 → さとの湯(駅側)約400m踏切の段差注意の区間を含む
鴻の湯 → 御所の湯約500m端から端は片道500m超。1日で全部は現実的でない

「外湯めぐり」という言葉に引きずられて7軒回ろうとすると、まず間違いなく無理をします。端から端まで往復すれば1km以上、そこに脱衣・入浴・着衣が加わります。移動に負担がかかる方との旅行では、1日2軒までが現実的です。

温泉に入る手段は3層ある(外湯・宿の風呂・湯あみヘルパー)

「自力に近いか、家族で介助するか、プロを呼ぶか」で選択肢が変わります。とくに3層目は、城崎にしかない仕組みです。

第1層:外湯に入る。7軒すべてスロープがあり、介助人の入場も認められています。入浴用車椅子と杖も配備されました。歩行に不安はあるが、手すりや杖があれば浴室まで行けるという方には、外湯めぐりは十分に現実的です。ただし脱衣室の中の段差、洗い場の勾配、浴槽の縁の高さまでは公表されていません。心配な場合は、当日いきなり行くのではなく、電話で「入浴用車椅子はあるか」「浴室までに段差はあるか」を聞いてから向かってください。

第2層:宿の風呂を使う。城崎の宿は貸切風呂の文化が強く、兵庫県公式のデータでも但馬エリアの宿は「大浴場での介助入浴が可能、または貸切風呂・家族風呂・部屋付露天がある」が30軒中22軒(73%)と、県全体(151軒中78軒=52%)を大きく上回ります。同行者と2人きりで、時間を気にせず入れるというのは、介助が必要な方にとって決定的な条件です。

ただし同じデータで、「大浴場など共同で利用する浴室での車椅子利用が可能」は但馬30軒中わずか4軒(13%)にとどまります。「貸切風呂がある=車椅子のまま入れる」ではないという点は、はっきり区別してください。車椅子のまま浴室に入りたい場合は、その1点を名指しで宿に確認する必要があります。

第3層:湯あみヘルパーを呼ぶ。城崎ユニバーサルツーリズム(NPO法人ぷろじぇくとPlus)が運営する入浴介助サービスです。専門スタッフ2名体制・90分で20,000円。体重や身体機能によって人数を増やす場合は追加料金がかかります。

項目内容(公式サイトの記載)
料金ヘルパー派遣料金(2名体制)/ 90分 20,000円。増員時は追加料金
内容入浴前に健康状態をチェックシートで確認し、当日の利用者の状態に沿った入浴をサポート。状態により足浴や清拭に変更することもある
対応施設西村屋ホテル招月庭/千年の湯 古まん/城崎温泉 あさぎり荘。「城崎温泉内の全ての旅館・ホテルでサービス提供可能ではありません」と明記
申込事前申込制。「ご旅行の1カ月前までを目安にご相談ください」
キャンセル前々日までに連絡。前日50%・当日100%
利用条件「安全な入浴の為、書面のやりとりができない場合はサービスをご利用できません」(普段の体調や介護の様子を事前に書面で共有)
問い合わせ080-9745-1473(9:30〜17:30)

この仕組みの本質は、「宿に介助を期待しない」という設計にあります。旅館のスタッフは接客のプロであって介護のプロではありません。だから安全に介助できないし、事故があれば責任も取れない。そこを外部の専門職が引き受けることで、旅館は普通の旅館のまま、利用者は入浴できる——という分業です。だから対応施設が3軒に限られているのも当然で、ヘルパーが動ける浴室の広さと動線がある宿でしか成立しないわけです。

「1カ月前まで」「書面のやりとりが必須」という条件も、裏を返せば安全確認をきちんとしている証拠です。思い立って当日頼めるサービスではありません。城崎で介助入浴を考えるなら、宿を探すのと同時に、このサービスの空きを押さえる——という順番になります。

電動車いすWHILLを借りる(料金・条件・段差5cm)

JR城崎温泉駅前の観光センターで、電動車いす(WHILL)を借りられます。4時間3,000円から。最大5cmの段差を越えられるので、温泉街の小さな段差はこれで解決できます。

城崎ユニバーサルツーリズムが運営する電動車いすレンタルです。貸出はJR城崎温泉駅前の観光センター。歩ける距離が短い方、長時間の歩行がつらい方、介助者の体力に不安がある方にとって、街歩きの成否を変える選択肢になります。

プラン料金利用できる時間
4時間コース3,000円9:30〜17:30の間で4時間
8時間コース4,000円9:30〜17:30
1泊2日7,000円14:00〜翌12:00
1時間延長2,000円
1泊延長5,000円
予備バッテリー2,200円

8時間コースが4,000円というのは、4時間コース(3,000円)との差がわずか1,000円です。チェックイン前後の荷物移動や、夕食後の散策まで含めるなら8時間を選んだほうが、時間を気にせずに済みます。1泊2日7,000円なら、翌朝の外湯(7:00開湯)にも使えます

性能面で押さえておきたいのが「最大5cmの段差を越えられる」「フル充電で約18km走行」という2点です。城崎の温泉街は、上の距離表を鴻の湯からさとの湯まで足し合わせると約1.5km。18kmという航続距離は、1日中使っても余裕があるということです。そして5cmの段差というのは、歩道の切り下げや店の入口の小さな立ち上がりを、介助者の手を借りずに越えられる水準を意味します。手動車椅子だと介助者が後ろに回って前輪を持ち上げる必要がある場面を、そのまま通過できます。

ただし貸出できない条件が明確に定められています。①フットサポート(足置き)に足が付かない方、②飲酒をしている方、③体重115kg以上の方、④電動車椅子の利用を医師から禁じられている方。とくに②は温泉地では現実的な制約で、夕食で晩酌をしたあとの夜の散策には使えないということです。夜も移動が必要なら、宿の送迎や手動車椅子を併用する前提で組んでください。

予約は事前に。問い合わせは080-9745-1473(9:30〜17:30)です。台数に限りがあるため、日程が決まった時点で押さえておくのが安全です。なお、神戸市内には無料・予約不要で借りられる「KOBEどこでも車いす」という別制度がありますが、あれは神戸市内限定で城崎には持ち込めません(制度の違いは神戸 車椅子 レンタル)。

宿選び:但馬の宿は「縦移動が弱く、和室ベッドと貸切風呂が強い」

兵庫県公式「ひょうごユニバーサルなお宿」の但馬30軒を集計すると、城崎を含む但馬の宿の性格がはっきり出ます。エレベーターと館内トイレが弱く、和室のベッドと貸切風呂が強い——木造旅館の街だからです。

兵庫県は「ひょうごユニバーサルなお宿」という登録制度を持っており、県公式サイトで宿ごとに約70項目の取組状況が公開されています。掲載は151施設(登録85・宣言66)。「登録施設」はチェックリストのクリア項目が35項目以上という県の基準を満たした宿です。当サイトで全151施設を集計し、但馬エリア30軒と兵庫全体を比較したのが次の表です。

項目但馬30軒兵庫全151軒読み取り
車椅子で利用可能なエレベーター17軒(57%)125軒(83%)但馬は縦移動が弱い。木造3階建ての旅館が多く、階段しかない宿がある
車椅子対応トイレ(館内)13軒(43%)117軒(77%)最大の弱点。ロビー階の共用トイレが狭い宿が多い
ユニバーサル/バリアフリールーム15軒(50%)96軒(64%)半数。客室そのものの改修は進行途上
簡易ベッド(和室用)またはベッド常設の和室25軒(83%)86軒(57%)但馬の強み。布団からの起き上がりが不安でも和室に泊まれる
介助入浴が可能/貸切風呂・部屋付露天あり22軒(73%)78軒(52%)但馬の強み。同行者と2人で入れる風呂がある宿が多い
車椅子の貸出26軒(87%)130軒(86%)ほぼ差なし。ただし用途に制限がある宿がある(後述)
浴室に手すり23軒(77%)112軒(74%)ほぼ同水準
大浴場で車椅子利用が可能4軒(13%)15軒(10%)どこでも難しい。貸切風呂とは別物として扱う
持込介護食の加温・配膳27軒(90%)122軒(81%)レトルト介護食を持ち込める。食事面の不安は小さい
刻み食 / ミキサー食20軒(67%) / 9軒(30%)101軒(67%) / 61軒(40%)ミキサー食は但馬のほうが少ない。必要なら宿を絞る
寸法等(入口幅・通路幅)の情報発信3軒(10%)32軒(21%)事前にサイズが分からない。電話で聞くしかない
段差(施設内のバリア)の情報発信13軒(43%)44軒(29%)但馬のほうが正直に開示している

この表は、城崎の宿の性格をそのまま言い当てています。城崎の旅館は、木造の建物を大切に使い続けてきた宿が多い。だからエレベーターと館内の車椅子対応トイレは後付けが難しく、数字が低く出ます。一方で、貸切風呂の文化と、和室にベッドを入れる柔軟さは、もともと持っていた強みです。

とくに注目したいのが「和室用の簡易ベッドまたはベッド常設の和室が83%」という数字です。高齢のご家族との旅行で意外に大きな壁になるのが、布団からの起き上がりです。畳に敷いた布団は、膝や腰に負担がかかり、夜中のトイレも危ない。「和室に泊まりたいが布団は困る」という要望に、但馬の宿は8割が応えられる——これは知っておく価値のある事実です。

逆に、いちばん警戒すべきは「寸法情報の発信が10%(30軒中3軒)」という数字です。つまり9割の宿は、客室の入口幅も通路幅もエレベーターの奥行きも公表していません。車椅子の全幅が分かっていても、入るかどうかは電話で聞かないと分からないということです。予約前に必ず、①客室入口の有効幅、②浴室入口の段差、③エレベーターの有無と乗れるサイズ——この3つを確認してください。

個別の宿のデータも公開されています。但馬30軒には湯村温泉・竹野・神鍋高原など城崎以外の宿も含まれるため、城崎温泉観光協会の公式「城崎の宿」一覧に掲載があることを確認できた15軒に絞って、主要項目で並べたのが次の表です。〇は「取組あり」と申告されている項目です。

宿区分UR/BF客室対応トイレEV車椅子貸出和室ベッド介助入浴/貸切浴室手すり
西村屋ホテル招月庭登録
城崎温泉 あさぎり荘登録
西村屋本館登録
大西屋水翔苑登録
城崎温泉しののめ荘登録
お宿 芹登録
深山登録
千年の湯古まん(別館も同内容)登録〇※
泉都宣言
湯楽 Kinosaki Spa&Gardens宣言
三木屋宣言
つちや旅館(UTSUROI TSUCHIYA ANNEXも同内容)宣言
但馬牛極みの宿 小宿縁宣言
山本屋宣言
錦水宣言

「—」は「設備が無い」という意味ではなく、「その項目を取組として申告していない」という意味です。県のデータは申告ベースなので、あるのに載っていないことがあり得ます。必要な設備は必ず宿に直接確認してください。

そして、この表よりも価値があるのが「注記」です。県のデータには、宿が自分で書き添えた補足が付いていることがあります。城崎の宿では次のような記載がありました。これは一般の予約サイトではまず読めない情報です。

宿項目宿自身が書いている注記実務上の意味
千年の湯古まん/同別館車椅子の貸出「※温泉街散策用(館内利用不可)」借りられるが館内では使えない。館内の移動手段は別に考える必要がある
御宿コトブキ客室内のアクセス性 / 大浴場での車椅子利用「※部屋の入口に段差有り」「※入口に段差有り」〇が付いていても段差がある。正直な開示だが、車椅子利用者は要確認
湯楽 Kinosaki Spa&Gardensその他(備品貸出)「段差解消のための簡易スロープ常備」可搬スロープで段差を越える運用。事前に伝えれば設置してもらえる可能性
城崎温泉 あさぎり荘その他(備品貸出)「車椅子クッションを貸出」長時間の座位に配慮。褥瘡(じょくそう)が心配な方に効く
西村屋本館 / 西村屋ホテル招月庭介助資格を持つ従業員「※グループ会社から派遣」常駐ではない。介助を期待するなら事前手配が前提

「車椅子は貸すが館内では使えない」という古まんの注記は、木造旅館の実態をよく表しています。廊下に段差がある、床を傷めたくない、幅が足りない——理由はさまざまですが、「貸出あり」という表示だけを見て安心してはいけないという教訓がここにあります。逆に、こうした注記をわざわざ書いている宿は誠実です。書いていない宿より、書いている宿のほうが信頼できます。

総合的に条件がそろっているのは、西村屋ホテル招月庭です。上の表の主要7項目すべてに〇が付いた唯一の宿で、湯あみヘルパーの対応施設3軒のうちの1軒でもあります。客室にもバリアフリーの洋室「ユニバーサル・ツイン」が用意されています(公式予約サイトの客室一覧)。介助が必要な方との城崎旅行で「まずここを当たる」と決めておいて損はありません。

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車いすのまま楽しめる足湯と飲泉

「湯に浸かる」以外にも、城崎には温泉を楽しむ方法があります。観光協会のマップは、足湯ごとに移乗のしやすさまでコメントしているのが特徴です。

入浴そのものが難しい方でも、足湯・手湯・飲泉なら参加できます。城崎温泉ユニバーサルマップには「車いすで足湯を楽しもう」という特集があり、それぞれの足湯について移乗の難易度が書かれています。ここまで書いている観光マップは珍しく、実際に車椅子で試した人が作ったことが分かります。

場所時間マップのコメント評価
城崎文芸館 足湯・手湯9:00〜16:30(土・日・祭日のみ)「他の足湯に比べて椅子が高いため、最も移乗がしやすいです。」移乗のしやすさは城崎で最良。手湯もあり「手で温泉に触れることができます」
柳湯 足湯15:00〜23:00(木曜休湯)「建物の東側がおすすめです。ベンチが低いため、移乗には注意が必要です。」南側と東側の2か所にある。令和7年度に底上げ+車椅子用スペース確保の改修が実施済み
薬師公園ポケットパーク 足湯24時間(※午前中1時間程度そうじ有)「車で近くまで行くことができます」車で乗り付けられる唯一の足湯。歩行距離を最小にできる
一の湯 足湯7:00〜22:30「足湯までに段差あり」段差の申告あり。介助者がいる場合向け
さとの湯 足湯「城崎温泉駅から最も近い場所にあります」2025年10月15日で利用終了(さとの湯の建て替え工事)

注目は柳湯です。マップ作成時点では「ベンチが低いため移乗に注意」とされていましたが、その後の令和7年度事業で「足湯の底上げや、周辺に切り込みをおこない、車椅子用の利用スペース確保」という改修が実施されました。つまり、マップの注意書きは改修によって解消された可能性が高いということです。現地で確認する価値があります。

飲泉も見逃せません。一の湯前と駅前に飲泉場があり、マップには「車いすに乗車したまま温泉の味が楽しめます。熱いのでご注意を!」と書かれています。移乗が一切不要で、しかも「温泉に来た」という体験になる。入浴が難しい方との旅行では、ここを行程に入れておくと満足度が変わります

駅から温泉街まで(JR城崎温泉駅・送迎・介護タクシー)

JR城崎温泉駅は改札口が1階で、出入口から段差なし。改札の内外どちらにも車椅子対応・オストメイト対応のトイレがあります。温泉街は駅からすぐです。

JRおでかけネットの駅バリアフリー情報によると、城崎温泉駅は改札口が1階にあり、出入口から改札口まで段差なしでアクセスできます。ホームについては、2・3番のりばと4番のりばは改札口から段差なしでアクセス可(エレベーターあり)1番のりばについては段差なしアクセスの記載がありませんので、乗降するホームが1番のりばになる場合は、事前にJRへ相談しておくのが安全です。

設備状況(JRおでかけネット)
改札口1階。出入口から改札口まで段差なし
2・3番のりば / 4番のりば改札口から段差なしでアクセス可・エレベーターあり
1番のりば段差なしアクセスの記載なし(要事前相談)
トイレ(改札内・改札外とも)車椅子対応 / ベビーベッド / オストメイト対応

駅前には城崎温泉観光センター(TEL 0796-32-4142)があります。ここは旅館協同組合のお宿案内処を兼ねており、手荷物預り・レンタサイクル・観光案内を扱っています。WHILL(電動車いす)の貸出拠点もここです。観光協会のマップによると、城崎温泉駅そのものにも車いすの貸出、障害者用トイレ、授乳室、エレベーター、コインロッカーがあり、「改札内にもトイレ有」と記載されています。

荷物は必ず預けてください。温泉街は平坦とはいえ、キャリーバッグを押しながら車椅子を介助するのは無理があります。駅前で荷物を預け、身軽になってから宿へ向かう——この段取りだけで、当日の疲労はかなり減ります。

宿までの移動は、旅館組合の無料送迎バスが使えます。兵庫県公式の特集では、各旅館を巡回する無料送迎バスについて「福祉バスに変更予定」と紹介されています。現時点でどの車両が来るかは日によって異なるため、車椅子のまま乗車したい場合は、予約時に宿へ伝えて手配を依頼してください。

車椅子のまま乗れる車が確実に必要なら、介護タクシーを押さえます。城崎温泉ユニバーサルマップには、地元の事業者として介護タクシー ひまわり(豊岡市津居山208/ご予約 0796-20-8703/携帯 080-6177-8248)が掲載されています。同じくマップにはヘルパーステーション まんてん(豊岡市立野町8-27/TEL 0796-23-0001)も載っており、現地の介護事業者と観光が結び付いていることが分かります。神戸側からの移動手段の考え方は神戸 車椅子 タクシーも参考にしてください。

1泊2日の組み立て方(無理のない順番)

外湯は「初日の夕方」と「翌朝」に1軒ずつ。これが最も無理のない配分です。日中に詰め込むと、入浴の疲れで夜が持ちません。

ここまでの事実を、実際の行程に落とします。前提は「移動に負担がかかる方が1名、介助者が1〜2名」。外湯めぐりを目的にしつつ、体力を使い切らない組み方です。

  1. 駅到着(〜14:00):改札を出たらまず観光センターで荷物を預ける。WHILLを予約している場合はここで受け取る(1泊2日7,000円なら14:00〜翌12:00)。飲泉場が駅前にあるので、車椅子に乗ったまま一口——ここで「温泉に来た」実感が入ります。
  2. 宿へ移動(14:00〜15:00):旅館組合の送迎バス、または介護タクシー。チェックイン時に、①貸切風呂の予約、②夕食の刻み食・持込介護食の加温、③翌朝の送迎——を一度に依頼しておくと後がスムーズです。
  3. 街歩き(15:00〜17:00)湯の里通りを主軸にする(屋外ベンチ約23基)。御所の湯〜一の湯〜柳湯は200m・100mと近く、疲れたら座れます。大谿川の橋の周辺は「階段あり、車いす困難」なので渡らない。踏切方向にも行かない。
  4. 外湯1軒目(17:00〜18:00)一の湯を推奨。車いす貸出がある唯一の外湯で、湯の里通りに面しています。最終受付は営業終了の30分前なので余裕を持って。入浴用車椅子が必要なら事前に電話で確認しておく。
  5. 夕食・就寝(18:30〜)WHILLは飲酒後は使えません。晩酌をする予定なら、夕食後の移動は宿の中だけで完結させる。和室に泊まる場合は、簡易ベッドの用意を事前に依頼(但馬の宿は83%が対応)。
  6. 翌朝の外湯(7:00〜9:00)7:00開湯の外湯(一の湯・地蔵湯・御所の湯)を使う。朝は空いていて、脱衣室も洗い場もゆったり使えます。混雑を避けられるぶん、介助のハードルが下がるのが最大の理由です。
  7. チェックアウト〜帰路(〜12:00)城崎文芸館の足湯・手湯は土・日・祭日の9:00〜16:30。開いていれば「最も移乗がしやすい」足湯なので、最後にここへ寄る。WHILLは12:00までに返却。

この行程の肝は「外湯を1日2軒に抑える」ことと「朝を使う」ことです。外湯は脱衣・入浴・着衣で1軒あたり最低1時間はかかります。7軒制覇は、移動に負担がかかる方には現実的ではありません。むしろ朝の空いた時間に落ち着いて入るほうが、体験としてずっと良い——これは介助する側にとっても同じです。

日帰りで来る場合は、外湯1軒+足湯+飲泉に絞ってください。入浴料は大人800円・小人400円。駅前で荷物を預けて、湯の里通りだけを往復する——それだけで城崎の空気は十分に味わえます。有馬温泉と迷っている方は、神戸から近く日帰りしやすい有馬有馬温泉 バリアフリー)と、滞在して外湯を楽しむ城崎という性格の違いで選ぶとよいでしょう。

やりがちなNGと正解

❌ やりがちなこと⭕ こうすればOK
「城崎はバリアフリー」という評判だけで計画する2026年8月現在、さとの湯は休業・鴻の湯は10月30日まで休館・一の湯と地蔵湯の家族風呂は休止中。観光協会のお知らせを必ず確認する
外湯めぐりで7軒を回ろうとする1日2軒まで。端から端は片道500m超で、脱衣と入浴の負担が加わる。初日の夕方と翌朝に1軒ずつが現実的
家族風呂で介助入浴するつもりで予約する一の湯・地蔵湯の家族風呂は2026年2月から休止中。介助入浴は宿の貸切風呂湯あみヘルパー(3施設・90分20,000円)で組む
「貸切風呂あり」を「車椅子で入れる」と読む大浴場で車椅子を使えるのは但馬30軒中4軒(13%)車椅子のまま入りたいなら、その1点を名指しで確認する
「車椅子貸出あり」の宿なら館内でも使えると思う千年の湯古まんは「温泉街散策用(館内利用不可)」と明記。用途の制限を必ず確認する
宿の公式サイトで客室の寸法を探す但馬は寸法を公開している宿が30軒中3軒(10%)電話で入口の有効幅・浴室の段差・エレベーターの有無を聞く
柳並木がきれいだからと川沿いを渡り歩く橋の周辺は「階段あり、車いす困難」とマップに明記。同じ岸を進み、平坦な交差点でだけ渡る
夕食後にWHILLで夜の散策をする飲酒をしている方には貸出できない。晩酌の予定があるなら夜の移動手段は別に用意する
さとの湯で車いすを借りるつもりで駅に着くさとの湯は建て替え工事で休業中貸出があるのは一の湯のみ。街歩き用は駅前でWHILLを予約しておく
兵庫県の観光データに設備が載っていないので城崎を外す温泉街は1件として登録されており申告主体がいないだけ。実際は外湯・駅・観光センターに障害者用トイレがある

よくある質問

Q城崎温泉の外湯に車椅子で入れますか?
城崎温泉観光協会が発行する「城崎温泉ユニバーサルマップ」では、外湯7軒すべてに「スロープ有」「介助人の入場可」と表記されています。さらに令和6年度の事業で、入浴用車椅子3台が3か所の外湯に、館内移動支援用の杖30本が全外湯に配備されました。ただし2026年8月現在、さとの湯は建て替え工事で休業中、鴻の湯は5月11日から10月30日まで(予定)長期休館で、稼働しているのは5軒です。また車いす貸出の表記があるのは一の湯とさとの湯の2軒だけで、さとの湯が休業中のため実際に借りられるのは一の湯のみです。脱衣室や洗い場の段差までは公表されていないため、入浴用車椅子の有無を含めて、行く前に各外湯へ電話で確認することをおすすめします。
Q介助が必要な家族と一緒に温泉に入る方法はありますか?
3つあります。①宿の貸切風呂・家族風呂・部屋付きの風呂を使う(兵庫県公式データでは但馬エリアの宿30軒中22軒=73%が対応で、県全体の52%より高い)、②入浴介助サービス「湯あみヘルパー」を頼む(城崎ユニバーサルツーリズム/専門スタッフ2名体制90分20,000円/対応は西村屋ホテル招月庭・千年の湯 古まん・城崎温泉 あさぎり荘の3施設/旅行の1カ月前までに相談が目安)、③外湯の家族風呂を使う——ですが、③の一の湯・地蔵湯の家族風呂は2026年2月から老朽化による大規模修繕のため利用休止中です。現時点では①か②で組み立ててください。
Q城崎温泉で車椅子は借りられますか?
JR城崎温泉駅前の観光センターで、電動車いす「WHILL」を借りられます(城崎ユニバーサルツーリズム)。料金は4時間3,000円、8時間4,000円、1泊2日7,000円で、1時間延長2,000円・予備バッテリー2,200円。最大5cmの段差を越えられ、フル充電で約18km走行できます。ただしフットサポートに足が付かない方、飲酒をしている方、体重115kg以上の方、医師から電動車椅子の利用を禁じられている方には貸出できません。台数に限りがあるため、080-9745-1473(9:30〜17:30)へ事前予約してください。観光協会のマップによると、城崎温泉駅にも車いすの貸出があります。
Q温泉街は車椅子で歩けますか?
本通りは平坦で、店や宿と道路の間にも段差がないと兵庫県公式でも紹介されています。ただし観光協会のマップは4か所を名指しで警告しています。大谿川の橋の周辺と東山公園方面は「階段あり、車いす困難」、地蔵湯橋〜さとの湯付近の線路横断は「踏切、段差注意!」、城崎健康福祉センター周辺は「砂利道、車いす困難」、大師山ロープウェイ方面は「坂道長く段差有、車いす困難」(さらに2025年12月の土砂崩れで登り口が通行止め)。おすすめは湯の里通りで、屋外ベンチが約23基と最も多く、御所の湯・一の湯・柳湯が約100〜200m間隔で並んでいます。
Qバリアフリーの宿はどこを選べばいいですか?
兵庫県公式「ひょうごユニバーサルなお宿」に登録・宣言している但馬エリアの30軒が出発点になります。当サイトの集計では、但馬の宿は車椅子対応トイレ43%・車椅子で使えるエレベーター57%と県全体(77%・83%)より低く、木造旅館ゆえの弱点が出ています。一方で和室用の簡易ベッドまたはベッド常設の和室が83%、介助入浴または貸切風呂・部屋付露天が73%と県全体を上回ります。主要項目がすべて揃っているのは西村屋ホテル招月庭で、湯あみヘルパーの対応施設でもあります。ただし但馬の宿で客室の寸法を公表しているのは30軒中3軒(10%)だけなので、予約前に客室入口の有効幅・浴室入口の段差・エレベーターの有無を必ず電話で確認してください。

城崎温泉は、「街全体が一つの宿」という発想を、バリアフリーにもそのまま適用しようとしている温泉地です。外湯7軒すべてにスロープを付け、介助人の入場を認め、入浴用車椅子と杖を配り、電動車いすを貸し、専門ヘルパーを派遣する仕組みまで用意している——ここまでやっている温泉地はほとんどありません。いまは工事で止まっている設備が多い時期ですが、方向性は間違いなく前に進んでいます。行く前に最新の状況だけ確認して、無理のない行程で訪ねてみてください。宿選びに迷ったら神戸 ホテル バリアフリーの考え方も参考になりますし、高齢のご家族との時間配分は神戸 旅行 高齢者にまとめています。

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※ 設備や運営状況は変わることがあります。お出かけ前に各施設の公式情報で最新をご確認ください。 本記事は2026.08.04時点の情報をもとに、すいすいトラベル編集部が作成しています。