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新幹線 車椅子|11号車の席選びと予約5経路の使い分け

・約16分で読めますすいすいトラベル 編集部
このページの要点

新幹線の車いす対応座席は、乗車日の1か月前の10時から申し込めます。席の種類は「移乗席あり」「移乗席なし」「多目的室」の3つで、東海道新幹線は全列車に用意があります。予約の経路は5つあり、多目的室と駅での介助を一緒に頼めるのは、WEB申込フォーム・みどりの窓口・電話の3つだけです。そして最も間違えやすいのが割引で、障害者割引の乗車券はネット予約では買えません。指定席だけ先にネットで押さえ、乗車券は窓口で手帳を見せて買う——この順番を知っているかどうかで、支払う金額が変わります。

新幹線で車椅子の席を取ろうとすると、多くの人が最初の10分で行き詰まります。ネットの予約画面に車椅子の欄が見当たらない、電話をかけたら「どちらの新幹線ですか」と聞かれて答えられない、窓口で「乗車券は別に買ってください」と言われて意味が分からない。これは調べ方が悪いのではなく、新幹線の車椅子まわりが「席の制度」「予約の経路」「運賃の割引」という別々の仕組みの重ね合わせでできているからです。この記事では、JR東海・JR西日本の公式案内と、そもそもこの仕組みを設計した国土交通省の検討会のとりまとめを直接読み解いて、決めるべき順番に並べ直しました。関西へ向かう方が多いサイトですので、京都駅・新大阪駅を発着する場合の実務も具体的に書いています。

情報は2026年8月6日時点で各社の公式ページを確認したものです。ただし対象列車や受付時間は変わることがあるため、最終的な確認は必ず公式サイトと窓口でお願いします。

結論:決めるのは「席」「経路」「割引の順番」の3つだけ

新幹線の車椅子の手配は、①どの席を取るか ②どの窓口から頼むか ③割引をどう組み合わせるか の3つを順番に決めれば終わります。ばらばらに調べると迷子になりますが、この3段で考えると、電話1本で片が付く人と、窓口へ行くべき人がはっきり分かれます。

決めること選択肢迷ったときの目安
①席の種類車いすスペース(移乗席あり)/車いすスペース(移乗席なし)/多目的室座席へ移れるなら「移乗席あり」。車椅子のまま乗るなら「移乗席なし」
②予約の経路EXサービス/e5489/WEB申込フォーム/みどりの窓口/電話多目的室・駅の介助も頼むなら、フォームか窓口か電話の3択
③割引障害者割引の乗車券+通常の特急券乗車券は窓口で手帳を提示。ネットでは買えない

先に結論を書くと、初めての方はフォームか電話が確実です。ネット予約(EXサービス・e5489)は速いのですが、頼めるのが「車いす対応座席」だけで、多目的室も駅の介助も同時には申し込めません。逆に、乗り慣れていて移乗もでき、割引を使わない方なら、ネットで完結するほうが早い。ここが分岐点です。

CHECK

到着後の動きは別記事にまとめています。京都駅に着いてからの乗り換えは京都駅 新幹線 車椅子 乗り換え、新大阪駅の構内は新大阪駅 車椅子をご覧ください。

席は4択。移乗するかしないかで名前が変わる

JR東海は、東海道新幹線の全ての列車に「車いす対応座席」を用意していると明記しています。その中身は「車いすスペース(移乗席あり)」「車いすスペース(移乗席なし)」「多目的室」の3種類。ここに「普通の指定席へ移って車椅子は折りたたむ」という4つ目の選び方が加わります。

名前がまぎらわしいのですが、区別は単純です。「移乗席あり」は座席が1席分空いていて、そこへ移って座り、車椅子は横に固定するタイプ。「移乗席なし」は座席そのものがなく、車椅子に乗ったままそこが自分の席になるタイプです。後述する「車いすスペースが6席あるN700S車両」では、窓側の3席が「移乗席なし」、通路側の3席が「移乗席あり」と、公式に配置が説明されています(6席あるのは一部の列車だけで、すべてのN700Sではありません)。

席の種類どんな席か向いている人
車いすスペース(移乗席あり)座席1席分が空いており、移乗して座る。車椅子は横に固定座席へ移れる方。長時間ならリクライニングできる分こちらが楽
車いすスペース(移乗席なし)座席がなく、車椅子のままそこが座席になる移乗が難しい方、電動車椅子やリクライニング型の方
多目的室横になれるベッドを備えた個室。ベッド収納時は車椅子のまま入室できる横になって休みたい方、授乳や着替えが必要な方
通常の指定席普通の座席。車椅子は折りたたんでデッキ等へ短距離で、介助者と一緒に自由に席を選びたい方

なぜ11号車なのか、という疑問にも答えがあります。国土交通省の「新幹線のバリアフリー対策検討会」がまとめた資料に、東海道新幹線では車椅子対応座席が11号車(多目的室を含む)に置かれている、と明記されています。山陽新幹線も同じ考え方で、JR西日本の案内では16両編成(のぞみ・ひかり・こだま)は11号車、8両編成(ひかり・ひかりレールスター・こだま・みずほ・さくら)は7号車が車いす対応座席と多目的室の位置です。北陸新幹線の12両編成は多目的室が7号車で、11号車はグリーン車なので注意が必要です。

同じ検討会の資料には、設計の根拠になった実測データも載っています。東海道新幹線の11号車を使う車椅子使用者のうち、隣の座席へ移乗する方と移乗しない方の割合は概ね1対1。そして車椅子使用者の約7割に介助者などが同行しているというものです。「移乗席あり」と「移乗席なし」が3席ずつ半々に用意されているのも、移乗席のとなりに介助者の席が確保されているのも、この実態に合わせた結果でした。仕組みの理由が分かると、どちらを選ぶべきかも判断しやすくなります。

  • ❌ 避けたい判断:「車椅子だから当然スペースを取るもの」と決めつけて、移乗できるのに「移乗席なし」を選ぶ。長時間の乗車では背もたれを倒せないぶん体がつらくなります。
  • ⭕ こうすればOK:2時間を超える乗車で移乗できるなら「移乗席あり」、移乗に介助が要る・電動やリクライニング型を使っている場合は「移乗席なし」。迷ったら申し込み時に「移乗はできますが長時間です」と伝えれば、係員が適した席を案内してくれます。

「6席のN700S」は毎日ちがう。当日朝に決まる列車がある

「N700Sは車いすスペースが6席」という話は有名ですが、6席あるのは一部の列車だけです。しかもJR東海は、6席車両で走る列車を「あらかじめ決まっている列車」と「ご利用当日の朝に決まる列車」の2種類に分けて案内しています。ここを知らないと、1か月前に取れなかった席を取り逃します。

車椅子スペースが増えたのは、2020年8月の国土交通省の検討会のとりまとめがきっかけです。それまで新幹線の車椅子スペースは1列車あたり1席以上、2020年4月以降の車両でも2席以上でした。とりまとめは考え方を根本から変え、1編成の座席数(グリーン車を除く)が1000席を超える場合は総席数の0.5%以上、500〜1000席なら多目的室を含めて5席以上、500席未満なら4席以上という基準を示します。東海道・山陽新幹線の16両編成がこれに当たり、結果として6席が実現しました。

同じ資料には具体的な要件も書かれています。2人以上が車椅子に乗ったまま窓際で車窓を楽しめること、ワゴンが通れる通路幅を確保すること、ストレッチャー式を含む大型の車椅子が2人以上で利用できること、そして移乗用の席を2席以上と、それに隣接して介助者・同伴者の席を2席以上設けること。ここでいう大型の車椅子とは「リクライニングなどで1,200mmを超える長さになるもの(最大2,000mmを想定)」と定義されています。以前は「車椅子が通路にはみ出し、ワゴンが通るたびにデッキへ出なければならない」ことが問題視されていました。今の6席はその反省から生まれた設計です。

実務上いちばん大事なのは、発売のタイミングが席の種類と列車で違うという点です。整理すると次のようになります。

席の種類あらかじめ決まっている列車当日の朝に決まる列車
車いすスペース(移乗席あり)利用日の1か月前の10時から発売利用日の1か月前の10時から発売
車いすスペース(移乗席なし)利用日の1か月前の10時から発売当日の朝から発売

つまり「移乗席なし」を希望していて1か月前に満席だった場合でも、当日の朝にもう一度チャンスがあるということです。JR東海は当日の運行予定を毎朝更新するPDFで公開しており、2026年8月6日版は午前4時47分更新と記載されていました。のぞみ・ひかり・こだまの列車ごとに東京・品川・新横浜・名古屋・京都・新大阪の時刻が並んでおり、その日どの列車が6席車両なのかが分かります。山陽新幹線側でも、JR西日本が1か月前から予約できる「移乗席なし」設置列車の列車番号(下りのぞみ101号・1号・7号ほか、上りのぞみ74号・4号・10号ほか)を公表し、当日朝に追加で決定する列車を別に案内しています。

確認ポイント: 対象列車の番号は改正のたびに変わります。ここに挙げた列車番号は2026年8月6日時点の公表内容であり、実際に申し込む前にJR東海・JR西日本の該当ページで当日の運行予定をご確認ください。

予約は5経路ある。何を一緒に頼むかで決まる

JR西日本は車いす対応座席の予約経路を5つに整理して公表しています。速さで選ぶのではなく、「多目的室」と「駅での介助」を一緒に頼めるかどうかで選ぶのが正解です。この2つが必要な人は、ネット予約では完結しません。

経路予約できる期間申し込める座席きっぷの受け取り
EXサービス(エクスプレス予約・スマートEX・LINEからEX)当日まで車いす対応座席のみICカード紐付けでチケットレス
JR西日本ネット予約 e5489当日まで車いす対応座席のみみどりの券売機・みどりの窓口
車いす対応座席 WEB申込フォーム1か月前の10時〜乗車2日前車いす対応座席+多目的室+介助の同時申込みどりの窓口
みどりの窓口1か月前の10時〜当日車いす対応座席+多目的室+介助の同時申込みどりの窓口
電話(お客様センター・各駅)1か月前の10時〜当日車いす対応座席+多目的室+介助の同時申込みどりの窓口

この表を見ると、WEB申込フォームだけが「乗車2日前まで」と締め切りが早いことに気づきます。直前になったら、フォームではなく窓口か電話です。逆に言えば、余裕をもって申し込むならフォームがいちばん手間が少ない。JR東海側も東海道新幹線各駅で乗車の2日前までWEB申し込みを受け付けており、この期限は各社でそろっています。

もうひとつ、フォームもネット予約も「申し込みを受け付けるだけ」で、その場では予約が確定しません。JR東海は「ご希望を承るまでの取り扱いとなるため、ご希望の列車が予約できるとは限りません。後ほどの駅からの回答までお待ちいただくことになります」と明記しています。JR西日本も同様で、指定した購入駅から結果の連絡が入る流れです。そしてここに、見落とすと申し込みそのものが流れてしまう落とし穴があります。

  • ❌ 避けたい判断:知らない番号は取らない設定にしたまま、フォームで申し込んで結果を待つ。
  • ⭕ こうすればOK:JR西日本は「駅からのご連絡は番号非通知での発信となる場合があります。非通知の着信拒否の設定をされている場合は解除をお願いします。ご連絡が取れない場合はお申し込みが完了しません」と案内しています。申し込んだら、非通知の着信拒否を一時的に解除しておきましょう。

ネット予約特有のクセもあります。e5489では空席状況がすべて△か×でしか表示されず、さらに車いす対応座席と付き添いの席はそれぞれ別に予約する必要があります(片方を購入してから、もう一度最初の手順に戻る)。EXサービスとe5489はいずれも「各駅同士を出発・到着する一つの列車のみ」が対象で、新幹線どうしの乗り換えや、特急との乗り継ぎがある行程では使えません。名古屋や新大阪で乗り換える行程の方は、はじめから窓口か電話を選んだほうが早く終わります。

最大の落とし穴:割引の乗車券は、ネット予約では買えない

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。障害者割引が効くのは「乗車券」で、その乗車券はネット予約では買えません。知らずにネットで一式そろえると、割引を受けられないまま正規運賃を払うことになります。

新幹線の代金は「乗車券(区間の運賃)」と「特急券(速さの料金)」の2枚に分かれています。障害者割引が適用されるのは前者の乗車券だけで、特急券・グリーン券は割引の対象外です。そしてJR東海は「エクスプレス予約では『身体障害者割引』の乗車券は購入できません」とはっきり書いています。JR西日本のe5489も同じで、申し込み手順の中に「身体障害者割引または知的障害者割引を適用した乗車券をご利用される場合、本画面では『乗車券なし』を選択し、指定席の予約完了後に別途乗車券をお買い求めください」という案内があります。

つまり正解は、2枚を別々のルートで買うことです。

  1. 特急券(指定席)を先に確保する。 ネット予約でも窓口でも構いませんが、車いす対応座席は数が限られるため、1か月前の10時を狙うのが確実です。ネットで取る場合は「乗車券なし」を選びます。
  2. 乗車券は駅で買う。 みどりの窓口、または係員対応の「サポートつき指定席券売機」で手帳を提示し、割引の乗車券を購入します。
  3. 当日は手帳を必ず携帯する。 割引きっぷの利用時は手帳の携帯が必要で、係員の請求があれば提示します。

この順番を踏まえると、あまり知られていない組み合わせが使えます。JR東海は「『身体障害者割引』の乗車券は駅の窓口等でご購入いただき、特急券を『エクスプレス予約』でご予約いただくと、乗車券は身体障害者割引が、特急券はエクスプレス予約による割引(e特急券)が適用されます」と案内しています。乗車券は手帳で5割引、特急券はEX予約で割引という二段構えです。さらに、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳(いずれも旅客運賃減額欄に第1種または第2種の記載があるもの)をお持ちの方は、年会費1,100円のJR東海エクスプレス・カードに年会費無料で入会できるとも書かれています(カード発行会社の審査があります)。東京〜関西を年に何度も往復する方には効いてくる話です。

割引の全体像:100キロの壁と、特急券が安くならない理由

JRの障害者割引は、身体・知的・精神の3制度がまったく同じ構造でできています。ポイントは「誰と乗るか」で条件が変わること。ひとりで乗るときだけ、片道の営業キロが100キロを超える区間という条件が付きます。

乗り方割引になるきっぷ距離の条件割引率
第1種の方+介護者1名普通乗車券・回数乗車券・普通急行券・定期乗車券(小児定期を除く)なし5割
12歳未満の第2種の方+介護者1名定期乗車券(小児定期を除く)なし5割
第1種の方がひとりで乗る普通乗車券営業キロ100キロ超に限る5割
第2種の方がひとりで乗る普通乗車券営業キロ100キロ超に限る5割

「100キロ超」というのは、感覚をつかんでおくと便利です。東京〜新横浜は28.8キロ、京都〜新大阪は39.0キロで、いずれも条件を満たしません。一方、東京〜熱海(104.6キロ)や京都〜名古屋(147.6キロ)なら超えます。新幹線で県をまたぐ旅行であればほぼ問題になりませんが、近距離の在来線移動では効かないことが多い、と覚えておくと迷いません。

そして短距離のときに使える正規の方法が公式に用意されています。JR東海の案内にはこう書かれています——「大人の第1種身体障害者の方が介護者の方と営業キロが100キロ以内の区間をご乗車される場合は、近距離用自動券売機でお二人分の小児の普通乗車券をお求めいただき、その普通乗車券と身体障害者手帳を改札係員にご提示いただくことでご利用いただくこともできます」。小児運賃は大人運賃の半額ですから、結果として2人とも5割引になります。窓口が混んでいる駅でも券売機で完結する、知っておくと得な手順です(知的・精神の各割引にも同じ案内があります)。

手帳の見せ方についても、更新された運用があります。障害者手帳アプリ「ミライロID」の提示でも割引きっぷを購入できますが、マイナポータルとの連携が完了したものに限られます。しかも「ミライロIDの提示で手帳の提示に代えることができますが、その場合であっても手帳を携帯いただく必要があります」と明記されています。アプリだけを持って手帳を家に置いていく、というのは想定されていません。精神障害者保健福祉手帳については、顔写真が貼り付けられており、かつ有効期限を超過していないものが条件です。

CHECK

現地に着いてからの割引は別クラスタでまとめています。京都の市バス・地下鉄は京都 交通 障害者割引、タクシーは京都 タクシー 障害者割引、拝観料は京都 拝観料 障害者割引をご覧ください。

申し込み前に用意する6項目と、フォームが使えない6ケース

電話や窓口では、聞かれることがほぼ決まっています。JR西日本は申し込み時に確認する内容を公表しているので、先にメモを作ってから電話すると、やり取りが一度で終わります。

聞かれること用意しておく答えの例
乗車日2026年9月12日(往復なら復路の日も)
乗車区間東京 → 京都(乗り継ぎがあればその列車も)
人数の内訳おとな2名(本人+付き添い1名)、こども0名
車椅子の有無と種類手動/電動/ハンドル形のいずれか
きっぷの受け取り駅と日京都駅のみどりの窓口・9月5日ごろ受け取り
連絡先と帰りの希望携帯番号(非通知の着信拒否は解除済み)、帰りも同時に相談したい など

手動か電動かを必ず聞かれるのは、ホームと車両の間に渡し板が必要かどうか、係員が何人必要かが変わるからです。合わせて、電動車椅子については「低速(時速2キロメートル以下)で、十分な注意のもと安全な運転を」とお願いが出ています。ホームで列車を待つときは「線路と平行の向きに車いすを停止し、ブレーキなどを確実に」とも案内されています。

また、WEB申込フォームでは受け付けられない6つのケースが明示されています。当てはまる方は最初から電話か窓口へ進んだほうが速いので、先に確認しておきましょう。

  • 公表されている利用可能区間の範囲外で新幹線を利用する場合
  • 指定された購入駅以外できっぷを受け取りたい場合
  • おからだの不自由な方が複数人で利用する場合
  • ハンドル形電動車いすを利用する場合
  • 医療機器を利用する場合や、医師など同行の場合
  • すでにきっぷを持っている場合

この場合の相談先は、JR西日本の「おからだの不自由なお客様のサポートダイヤル(0570-00-8989・受付8時〜20時)」または駅(無人駅を除く)です。なお同社は「メールでは介助のお申し込みやきっぷのご予約相談はできません」とも明記しています。急ぐときはメールではなく電話です。

一部の列車と駅では車椅子の貸し出しも行っています。利用したい場合は申し込み時に相談するよう案内されています。旅先での長時間の移動に備えて自分用のものを借りたい場合は、京都 車椅子レンタル大阪 車椅子レンタルのように、現地で数日単位で借りる方法もあります。

京都・新大阪から乗るときの実務

関西を発着する方がつまずくのが「どの会社に連絡すればいいのか」です。京都駅・新大阪駅は東海道新幹線と山陽新幹線の接続点で、会社の境目になっています。ただし実務上の答えははっきりしています。

行き先扱う会社連絡先の例
京都・新大阪から東京方面(東海道新幹線)JR東海京都駅・新大阪駅の申し込み電話 0570-08-6011(各駅の電話は7時〜19時)
新大阪から博多方面(山陽新幹線)JR西日本サポートダイヤル 0570-00-8989(8時〜20時)
在来線特急(はるか・サンダーバードなど)JR西日本同上。窓口・電話・WEB申込フォームで受付

ややこしいのは、JR西日本のWEB申込フォームも東海道新幹線を扱っていることです。同社の案内では、東海道・山陽・九州新幹線について「京都と博多の間の各駅から新幹線にお乗りいただき、東京と鹿児島中央の間の各駅にて新幹線をお降りいただく場合に限ります」とされています。つまり京都駅・新大阪駅から東京へ向かう行程なら、JR西日本のフォームやサポートダイヤルからも申し込めるということ。「どちらに電話すべきか分からない」と迷ったら、出発駅がある会社に連絡すれば話が通ります。

きっぷの受け取り場所にも指定があります。JR西日本のフォームで申し込んだ場合、京都駅・新大阪駅・小倉駅・博多駅については「JR西日本」のみどりの窓口を利用するよう案内されています。これらの駅にはJR東海の窓口も並んでいるため、行き先を間違えると受け取れません。当日ではなく、前もって受け取りに行くのが安心です。

確認ポイント: 新大阪〜博多間のこだま号には、車いす対応座席が自由席となる列車があるとJR西日本が案内しています。指定席のつもりで手配すると想定が変わるため、こだま号を使う場合は申し込み時に確認してください。

駅に着いてからの動線は、京都駅・新大阪駅とも構内が広く、乗り換えに時間がかかります。**乗り換え自体の段取りは京都駅 新幹線 車椅子 乗り換え**に、新大阪駅の設備は新大阪駅 車椅子にまとめました。宿を駅直結・駅近で選んでおくと、到着後の移動がそのまま短くなります。

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当日の段取りと、車両が変わったときに起きること

当日は「早めに駅へ」に尽きます。JR東海・JR西日本とも、混雑時や運行上支障がある場合、時間帯によっては待ち時間が発生すると明記しています。加えて、予約した車両が変更される可能性も公式に説明されています。ここを知っているかどうかで、当日の落ち着きが変わります。

  1. 出発の30〜40分前には駅へ。 係員の手配と降車駅との調整が入るため、指定席に座るだけの旅程より時間がかかります。手配に時間を要する場合は、結果を後から連絡すると案内されています。
  2. きっぷは前日までに受け取っておく。 申し込んだ駅での受け取りが基本です。当日の窓口混雑に巻き込まれません。
  3. 改札で申し出て、ホームまで案内を受ける。 乗降の手伝い、渡し板の用意、降車駅への連絡が行われます。
  4. 降車駅では、係員が待っている場所で待つ。 事前連絡により降車駅にも手配が回っています。

そのうえで、予約後から乗車まで日が空く場合は、乗車前に駅係員へ車両変更の有無を確認するようJR東海は呼びかけています。6席のN700Sは点検や天候によるダイヤ乱れで急きょ別の車両に差し替わることがあるためです。差し替わった場合には「同じ列車の車いす対応座席への変更や、他の列車への変更をお願いする場合がございます」とされ、JR西日本も「車いす対応座席または多目的室が用意できないときは、別の列車にてご用意させていただきます」と説明しています。

  • ❌ 避けたい判断:予約が取れているのだから当日は改札に直行すればいい、と考える。車両が変わっていた場合、その場で別列車への変更を相談することになり、時間が足りません。
  • ⭕ こうすればOK:乗車の前日か当日の朝に、駅または申し込んだ電話窓口へ「車両変更はありませんか」と一言確認する。変更があっても、余裕があれば同じ列車の別の席に振り替えられます。

なお、両社とも「化粧室のご利用や列車内での移動がおひとりでできないお客様には、介助の方がご同伴いただきますようお願いいたします」と案内しています。車内には常時付き添う係員がいない前提です。ひとり旅を計画する場合は、乗車中にトイレへ行けるかを先に検討しておく必要があります。持ち物の考え方は車椅子旅行の持ち物にまとめています。

車椅子でなくても使える仕組みがある

ここまで車椅子を前提に書いてきましたが、新幹線のバリアフリーの仕組みは、車椅子を使っていない方にも開かれています。歩くのが不安なご高齢の方、ベビーカー連れの方、体調に不安がある方が使える窓口は、実は同じです。

使える仕組みどんなときに頼み方
駅での乗降の介助階段やホームの段差が不安、荷物が多くて手が足りない出発駅の窓口・電話へ事前連絡(車椅子でなくても相談できます)
多目的室体調が悪くなった、横になりたい、授乳や着替えが必要車内で車掌に申し出る。事前手配の可否は窓口・電話で確認
優先席立っているのがつらい、席を必要としている普通列車の各車両の一部に表示。JR東海は協力を呼びかけています
補助犬の同伴盲導犬・介助犬・聴導犬と一緒に移動する身体障害者補助犬法に定める3犬種は列車内に無料で同伴できます
車椅子の貸し出し駅構内や車内の移動距離が長くて歩ききれない一部の列車・駅で実施。申し込み時に相談

多目的室は「歩行の不自由なお客様や、気分の悪くなったお客様等がご利用いただける」とJR東海が説明しており、車椅子ユーザー専用の設備ではありません。ただし「先約等によりご利用いただけない場合もあります」とも書かれており、必要な方が優先という運用です。

確認ポイント: 新幹線の多目的室について、事前予約ができるかどうかは条件によって扱いが異なります。JR西日本の予約経路の一覧では、WEB申込フォーム・みどりの窓口・お客様センターの3経路で多目的室を申し込めると示されています。一方で在来線特急の多目的室については「予約いただくことはできません。ご利用をご希望の場合は、通常の座席をご予約のうえ、係員までお申し出ください」と明記されています。自分の行程で予約できるかは、申し込み時に必ず確認してください。

「歩けるけれど長い距離はつらい」というご家族との旅行は、新幹線に乗る前後の乗り換え時間をどれだけ短くできるかで疲れ方が変わります。認知症のあるご家族との移動は認知症の親と新幹線に、飛行機で関西へ入る場合は飛行機に車椅子で乗る方法関西空港 車椅子に、それぞれ別の観点でまとめました。手続きの重さで言えば、新幹線は席の確保が面倒で、飛行機は持ち物(とくに電動車椅子のバッテリー)の制約が厳しいという違いがあります。到着後の宿選びまで含めて設計しておくと、当日の判断が減ります。

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Q新幹線の車椅子の席は、いつから予約できますか?
乗車日の1か月前の10時からです。「車いすスペース(移乗席あり)」はどの列車もこのタイミングで発売されます。「車いすスペース(移乗席なし)」は、あらかじめ6席のN700Sで走ると決まっている列車は1か月前の10時から、当日の朝に決まる列車は当日の朝からの発売です。数が限られるため、日程が決まり次第の申し込みが確実です。
QスマートEXやe5489だけで手配は完結しますか?
車いす対応座席の予約だけなら完結します。ただし多目的室と駅での介助は、WEB申込フォーム・みどりの窓口・電話の3経路でしか同時に申し込めません。また新幹線どうしの乗り換えや特急との乗り継ぎがある行程では、EXサービス・e5489は利用できず、窓口か電話が必要です。
Q障害者割引をネット予約で使えますか?
使えません。障害者割引が適用されるのは乗車券で、その乗車券はエクスプレス予約でもe5489でも購入できません。e5489では「乗車券なし」を選んで指定席だけ予約し、乗車券は駅の窓口かサポートつき指定席券売機で手帳を提示して別途購入します。JR東海では、乗車券は障害者割引・特急券はエクスプレス予約のe特急券という組み合わせが可能と案内されています。
Qひとりで乗るときも割引になりますか?
片道の営業キロが100キロを超える区間に限り、第1種・第2種とも普通乗車券が5割引になります。介護者1名と一緒に乗る第1種の方は距離の条件がありません。なお大人の第1種の方が介護者と100キロ以内の区間に乗る場合は、近距離用自動券売機で二人分の小児の普通乗車券を購入し、その乗車券と手帳を改札係員に提示する方法が公式に案内されています。
Q車椅子の席は何号車ですか?
東海道新幹線は11号車に車いす対応座席と多目的室があります。山陽新幹線は16両編成(のぞみ・ひかり・こだま)が11号車、8両編成(ひかり・ひかりレールスター・こだま・みずほ・さくら)が7号車です。北陸新幹線の12両編成は多目的室が7号車で、11号車はグリーン車のため位置が異なります。編成によって変わるので、申し込み時に確認してください。
Q申し込んだのに駅から連絡が来ません。
駅からの連絡は番号非通知で発信される場合があります。非通知の着信拒否を設定していると連絡が取れず、申し込みが完了しないとJR西日本が明記しています。申し込み後は非通知の着信拒否を一時的に解除しておき、それでも連絡がない場合は指定した購入駅、またはサポートダイヤル(0570-00-8989・8時〜20時)へ問い合わせてください。
Q予約した車両が変わることはありますか?
あります。車両の点検や天候によるダイヤ乱れで、6席のN700Sが急きょ別の車両に変更される場合があるとJR東海が案内しています。その際は同じ列車の別の車いす対応座席への変更や、他の列車への変更を相談されることがあります。予約から乗車まで日が空く場合は、乗車前に駅係員へ車両変更の有無を確認しておくと安心です。

この記事は、JR東海「歩行の不自由なお客様へ」「障害者割引制度のご案内」、JR西日本「車いすをご利用のお客様」、国土交通省・新幹線のバリアフリー対策検討会「新幹線の新たなバリアフリー対策について」(令和2年8月28日)の公表内容をもとに、2026年8月6日時点で整理したものです。対象列車・受付時間・割引の取り扱いは変更されることがあります。申し込みの前に、必ず各社の公式サイトと窓口で最新の内容をご確認ください。

※ 設備や運営状況は変わることがあります。お出かけ前に各施設の公式情報で最新をご確認ください。 本記事は2026.08.06時点の情報をもとに、すいすいTRAVEL編集部が作成しています。