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浅草 車椅子|本堂エレベーターの場所とトイレ、駅の選び方

・約19分で読めますすいすいトラベル 編集部
このページの要点

浅草寺の本堂には、本堂に向かって左(西側)の専用エレベーターで、車椅子のまま上がれます(東京都の調査による)。東京都のガイドによれば「車いすの場合、本堂に向かって左側の専用エレベーターで上がることができます」。都のガイドは境内の道幅を「充分ある」と評価しています。つまり浅草で心配すべきなのは境内ではなく、①4つある「浅草駅」のどれで降りるか ②車いす対応トイレがどこにあるかの2点です。トイレは境内周辺に複数ありますが、オストメイト対応やおむつ交換シートの有無が場所ごとに違います。この記事は、東京都が「2026年1月現在の情報をもとに作成」と明記する公式データ(地図の調査は2025年9月〜2026年1月)をもとに、当日の動線に並べ直したものです。

浅草は、東京のなかでも歩くのが不安な方と相性がいい場所です。理由ははっきりしていて、見どころが半径数百メートルに固まっているからです。雷門、仲見世、宝蔵門、本堂、浅草神社——これらは全部、歩いて回れる距離にあります。東京の観光地としては珍しく、移動が主役にならないエリアです。

ただし、検索して出てくる情報には偏りがあります。上位に並ぶのは個人の訪問記が中心で、内容は具体的なものの、取材の時期が古いものが少なくありません。設備は年々変わりますし、「トイレがある」と書かれていても、そこがオストメイト対応なのか、中で車椅子が回れる広さなのかまでは分かりません。

この記事では、東京都産業労働局が公開している「東京観光バリアフリー情報ガイド」の浅草コースを軸にしました。都が実地に調査したもので、地図データの調査時期は2025年9月〜2026年1月、ページの最終更新は2026年3月31日と明記されています。加えて東武鉄道の公式駅情報、浅草寺公式サイトの案内を突き合わせ、当日の動く順番に並べ替えています。

結論:本堂には上がれる。難所は駅選びとトイレの位置

浅草で事前に決めておくことは、実質ふたつだけです。「どの駅で降りるか」と「トイレをどこで済ませるか」。この2つさえ押さえれば、あとは境内をゆっくり進むだけで成立します。

まず良い知らせから。浅草寺の本堂は、車椅子のまま上がれます。本堂は階段の上にありますが、東京都のガイドには「浅草寺本堂西側に本堂へと上がるエレベーターがあります」「車いすの場合、本堂に向かって左側の専用エレベーターで上がることができます」と書かれています。本堂は南を向いているので、「向かって左」と「西側」は同じ場所を指しています。お賽銭も、お参りも、上がったうえでできます。

境内の路面についても、都のガイドは「境内の道幅は充分あるので移動しやすくなっています」と評価しています。ただし路面の材質や個々の段差の有無までは公表されていません。道幅は心配しなくてよい一方、細かい起伏はご自身で確認してください。

よくある不安実際のところ対処
本堂は階段の上だから無理では本堂に向かって左(西側)に専用エレベーターがあります(東京都のガイドの記載)宝蔵門を抜けたら右ではなく左寄りを進む
境内が砂利や石畳で進みにくいのでは都のガイドは「境内の道幅は充分あるので移動しやすくなっています」と記載参道をそのまま進んで問題ありません
トイレが心配境内周辺に複数の車いす対応トイレがあります。ただし設備の内容が1か所ずつ違います後述の表で、必要な設備がある場所を先に決める
混雑で進めないのでは仲見世と本堂前は時間帯によって非常に混みます午前の早い時間に本堂を済ませる。本堂の開堂は午前6時から(10〜3月は6時30分から)
どの駅で降りればいいか分からない「浅草駅」は4つあり、位置も設備も違います次の章で使い分けを整理します

「浅草駅」は4つある。どれで降りるかで一日が変わる

浅草には東京メトロ銀座線・都営浅草線・東武スカイツリーライン・つくばエクスプレスの4つの「浅草駅」があります。同じ名前ですが同じ場所ではありません。どこへ向かうかで、選ぶべき駅が変わります。

東京都のガイドが浅草コースのスタートとゴールに指定しているのは、東京メトロ浅草駅の1番出口です。そしてワンポイントアドバイスとして、こう書かれています。「東京メトロ銀座線利用の場合、2番線に到着する列車を利用すると、出口までの移動がスムーズです」。

番線の指定です。乗換案内アプリにも出てこない粒度で、これは実地に歩いた人でなければ書けない情報です。銀座線で向かうなら、乗る前に「2番線に着く列車か」を確認しておく価値があります。

運営分かっていること向いている使い方
東京メトロ 浅草駅(銀座線)東京メトロ都のガイドがスタート/ゴールに使う駅。1番出口を指定。2番線到着の列車だと出口までが近い雷門・仲見世方面へ最短。まず第一候補
東武 浅草駅(東武スカイツリーライン)東武鉄道公式の設備表示にエレベーター・エスカレーター・バリアフリートイレハンドル型電動車イス利用可能駅の記載あり。一方で「ホームと列車の段差と隙間を一部縮小しています」は浅草駅では非該当(グレー表示)日光・スカイツリー方面から来る場合。東武は駅設備表示に「ハンドル型電動車イス利用可能駅」と明示(他社も可否を公表しているので、通る全社・全駅を各社の一覧で確認してください)
都営 浅草駅(浅草線)東京都交通局羽田空港・成田空港方面と直通する路線(運行系統は一般に知られる範囲。設備は未確認)空港から乗り換えを減らしたい場合
つくばエクスプレス 浅草駅首都圏新都市鉄道上の3駅とは別の場所にあります(東武浅草駅の所在地は東武公式で台東区花川戸1-4-1。TX浅草駅は国際通り側で、位置関係は一般に知られる範囲)。A1出口にエレベーターがあることは都の宿泊施設ページに明記国際通り側・六区方面や、TX沿線から来る場合
  • ❌ 避けたい判断:乗換案内が出した最短ルートをそのまま使う。同じ「浅草駅」でも降りる場所が違い、地上に出てから予想外に歩くことになります。
  • ⭕ こうすればOK:先に「雷門から入りたいのか、六区側から入りたいのか」を決めてから駅を選ぶ。雷門・仲見世が目的なら東京メトロ。ハンドル型電動車椅子は駅ごとに可否が決まるので、通る駅を1駅ずつ各社の一覧で確認してください(東武浅草駅は公式に「利用可能駅」と表示されています)。
確認ポイント

都営浅草線・銀座線・つくばエクスプレス各駅のエレベーターの基数や設置位置は、公表資料で全駅ぶんを確認できていないため、この記事では断定していません。旅程が固まったら、らくらくおでかけネット(交通エコロジー・モビリティ財団)で通る駅を1駅ずつ確認してください。東京都のガイドの凡例にも「(鉄道・地下鉄駅は特記がない限りは改札内)」と注記があり、トイレが改札の内側にしかない駅があることが示されています。改札を出る前に済ませる、という判断が必要になる場面があります。

浅草寺:雷門から本堂まで、専用エレベーターで上がれる

浅草寺の動線はシンプルです。雷門→仲見世→宝蔵門→本堂前→(左手の専用エレベーター)→本堂。都のガイドは境内の道幅を「充分ある」と評価しています(路面の材質や個々の段差までは公表されていません)。

東京都のガイドは浅草寺のバリアフリー情報を7項目で整理しています。車いすのまま入れるトイレ=あり、オストメイト対応設備=あり。一方で授乳スペース=なし、障がい者等用駐車スペース=なし、筆談対応=不可、触地図・点字による解説等=なし、車いす貸出=なしです。

ここで注意したいのが車いす貸出が「なし」という点です。浅草寺の境内で当日その場で借りられる前提は避けてください

ただし、街としての浅草には貸出があります。台東区は2025年(令和7年)3月1日から、浅草文化観光センターで観光客向けの車いす貸出しサービスを始めました。区の公式ページによれば、貸出・返却場所は「浅草文化観光センター1階案内カウンター」、時間は「9:00~19:30まで」、台数は「7台」、耐荷重は「130キログラム」。予約は外出先レンタルの「ベビカル」と連携する仕組みで、会員登録・予約方法・料金は同サービス側の案内によります。

つまり選択肢は3つです。①ご自身の車椅子を持参する ②事前にレンタルを手配する ③浅草文化観光センターの貸出を予約する。台数は7台と限られ、料金や予約方法も変わり得るので、③を使うなら行く前に台東区の公式ページか浅草文化観光センター(03-3842-5566)で確認してください。なお同センターは、都のガイドでも「人力車乗り場にはトイレがないので、浅草文化観光センターを利用させてもらうとよいでしょう」とトイレの逃げ場として案内されている場所です。

参拝の時間帯についても触れておきます。浅草寺公式サイトによれば「本堂の開堂時間は、午前6時~午後5時となっております。(10月~3月の開堂時間は午前6時30分)」。境内自体は自由に入れますが、本堂に上がるなら開堂時間内である必要があります。そして混雑を避けるなら、開堂直後の午前が楽です。

この表について

次の表は公式の混雑データではありません。開堂時間(浅草寺公式)と一般的な観光の時間帯から、編集部が目安として整理したものです。実際の混み具合は行事・天候・曜日で大きく変わります。時間帯の混雑について、東京都のガイドにも浅草寺公式にも記載はありません。

時間帯境内の状況(編集部の目安)判断
6:00〜9:00(10〜3月は6:30〜)参拝者が少なく、仲見世の店はまだ開いていない店が多い本堂を最優先するならここ。エレベーター前の列も短い時間帯です(待ち時間は保証できません)
9:00〜11:00仲見世が開き始め、人が増えてくる買い物と参拝の両立ならこの時間
11:00〜16:00日中は仲見世と本堂前の人の流れが密になりますこの時間に本堂を目指すのは避けたい。屋内施設に振り替える
16:00〜17:00人が引き始めるが、本堂の開堂終了が近い17時を過ぎると本堂には上がれません(公式は10〜3月について開始時刻のみを6時30分としており、終了時刻の別記はありません)
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車いす対応トイレは複数ある。ただし設備が1つずつ違う

浅草の車いす対応トイレは「あるかないか」ではなく、「どの設備があるか」で選びます。オストメイト対応、おむつ交換シート、中で回れる広さ——この3つが場所ごとに違います。

東京都のガイドは、施設ごとにトイレ情報を書き分けています。浅草寺周辺については、次のように記載されています。「弁天山付近と浅草寺病院付近に車いす対応トイレがあります(おむつ交換シート付き)。「奥山おまいりまち」を入り左側にある木馬館前公衆トイレに車いす対応トイレ(オストメイト対応設備付き)、おむつ交換シートがあります」。

つまり境内周辺だけで3か所、さらに周辺エリアまで広げると選択肢が増えます。必要な設備から逆算して選んでください。なお雷門前の浅草文化観光センターは、台東区の公式案内によれば1階に「車いす優先バリアフリートイレ」(午前9時から午後8時・オストメイト対応、介助用ベッド設置)があり、7階にもバリアフリートイレがあります。車椅子の貸出と同じ場所なので、起点にすると動きやすい場所です。

場所オストメイトおむつ交換シート使いどころ
弁天山付近(浅草寺境内)記載なしあり本堂参拝の前後。境内の東側
浅草寺病院付近記載なしあり境内の北側から出るとき
木馬館前公衆トイレ(「奥山おまいりまち」を入り左側)ありありオストメイトが必要ならここ。六区方面へ抜ける途中
浅草文化観光センター(雷門前・1階)あり記載なし(授乳室は2階。おむつ替えベッドあり)車椅子貸出と同じ場所。9:00〜20:00・介助用ベッド設置。7階にもバリアフリートイレ
浅草公会堂(伝法院向かい)記載なしあり仲見世・伝法院通りエリアでの休憩
浅草ROX(本館5階/ROX2G 3階/ROX・3G 3階)あり記載なし(ベビールームは本館5階・ROX・3G 3階)屋内。六区エリアの拠点。ただし3か所は別々の棟(4棟のうち3棟に1か所ずつ)
金竜公園内ありありかっぱ橋方面へ足を延ばすとき
「ある」と「使える」は別

都のガイドは、狭さについても正直に書いています。浅草演芸ホールのトイレについては「1階の階段付近に車いす対応トイレがあります。スペースが狭くトイレ内での車いすの転回はできません」と明記されています。「車いす対応トイレあり」という表示だけで安心しない——この一文が示しているのはそういうことです。中で向きを変える必要がある方は、事前に広さまで確認してください。

あわせて覚えておきたいのが、トイレが「ない」場所です。都のガイドは、浅草神社について「境内にトイレはありません」、人力車乗り場について「人力車乗り場にトイレはありません」、浅草六区地区について「周辺に公衆トイレはありません」と記載しています。六区は道幅が広くて回りやすい一方、公衆トイレがない——この組み合わせは知っておく価値があります。六区にいるときは、浅草ROXが実質の受け皿になります。

浅草神社・伝法院通り・六区。境内の外の実際

浅草寺だけで帰るのはもったいない場所です。隣接する浅草神社、仲見世と交差する伝法院通り、その先の六区——どれも車椅子で回れますが、それぞれに小さな注意点があります。

浅草神社は浅草寺のすぐ東隣にあります。三社祭で知られる古社で、現在の社殿は徳川家光が再建・寄進したもの、国の重要文化財です。都のガイドは「鳥居側入口付近に10センチメートル程度の溝がありますが、注意して進めば車いすでも問題はありません。境内は舗装されており移動しやすくなっています」と記載しています。10cmの溝という具体的な数字が出ているのがありがたいところで、キャスターの小さい車椅子では前輪が落ちる可能性があります。介助者がいるなら、ここだけ声をかけて越えてください。

浅草神社は筆談対応が可能とされています。一方で境内にトイレはありません。参拝の前に浅草寺側で済ませておくのが安全です。都のガイドの営業時間欄は平日9時〜16時、土日祝9時〜16時30分です(料金・休業日はいずれも「境内自由」と記載されています)。

伝法院通りは仲見世と交差する全長約200メートルの通りで、浅草寺の本坊である伝法院があります。都のガイドは「道幅が広く車いすでも通行しやすくなっています」と評価しつつ、注意点も添えています。「伝法院通り周辺は人力車の撮影スポットになっており、頻繁に人力車が通るので注意が必要です」。人が立ち止まって写真を撮る場所でもあるので、通り抜けには少し時間を見ておいてください。トイレは伝法院向かいの浅草公会堂にあります(おむつ交換シート付き)。

浅草六区は明治時代から映画館や演劇場が集まった地区で、現在も再生が進んでいます。都のガイドは「ガードレールはありませんが道幅が広く平坦で、通常は交通量も多くありません」としています。ただし前述のとおり公衆トイレがなく、車いす対応トイレは浅草ROXを使うことになります。

六区へ向かうときの近道も書かれています。「「奥山おまいりまち」を進むと浅草演芸ホールまで最短で行けます」。この通りの入り口左側には木馬館前公衆トイレ(オストメイト対応)があるので、トイレと移動を同時に片付けられるルートです。

演芸ホール・花やしき・ROX。中に入ってからの話

浅草は屋内施設が充実しているので、雨の日でも猛暑日でも一日を組めます。ただし施設ごとに「車椅子で何ができるか」の条件が違うので、先に押さえておきます。

浅草演芸ホールは、落語・漫才・漫談・コント・マジックなどを10日替わりで楽しめる寄席です。都のガイドによれば「車いすスペースのある1階席はシアター形式で緩い勾配があります」。つまり車椅子のまま観覧できます。「スタッフは常時6名ほどで、人的な配慮がなされています」との記載もあります。

料金は「3,500円から(障害者割引あり、要問合せ)」。割引の条件は明記されていないため、行く前に電話(03-3841-6545)で確認してください。昼の部は11時40分から16時30分、夜の部は16時40分から20時45分、休業日はなし。所要時間の目安は1時間30分です。トイレは1階階段付近にありますが、前述のとおり中で車椅子の転回はできません

浅草花やしきは1853年(嘉永6年)開園の日本最古の遊園地です。都のガイドは「車いすでも遊具に乗り移れるならば、乗車可能のアトラクションがあります」と記載しています。乗れるかどうかは移乗できるかどうかで決まる、という条件が明示されているのが実務的です。

料金は「入園料1,600円 ※のりもの料金別途(障害者手帳の提示でご本人様入園無料)」。手帳をお持ちなら本人の入園料はかかりません(同伴者の扱いは記載がないため要確認)。ステージ付近に車いす対応トイレ(オストメイト対応設備付き)があり、授乳スペースもあります。営業は10時から18時(季節・天候により変動、最終入園は閉園30分前)。メンテナンス休園日等があるため、公式サイトで開園日を確認してください。

浅草ROXは4つのビルからなる商業施設で、六区エリアの実質的な拠点です。都のガイドは「浅草ROXはバリアフリー対応になっており、授乳室や車いす対応トイレが完備されています。入口に触知図があります」と記載。車いす対応トイレは4棟のうち3棟に1か所ずつ(ROX本館5階・ROX2Gの3階・ROX・3Gの3階、いずれもオストメイト対応設備)、ベビールームはROX本館5階とROX・3Gの3階です。障がい者等用駐車スペースもあります。営業は10時30分から21時(店舗により異なる)。休業日は「なし(年4回の休館日を除く、店舗により不定休あり)」とされているので、旅程の要にするなら当日の営業を確認しておくと安全です。

施設車椅子での可否トイレ手帳の扱い
浅草演芸ホール1階席に車いすスペース。緩い勾配のシアター形式1階階段付近。中で転回はできない障害者割引あり(要問合せ)
浅草花やしき遊具に乗り移れれば乗車可能なアトラクションありステージ付近(オストメイト対応)手帳提示で本人の入園無料
浅草ROXバリアフリー対応。入口に触知図3か所(本館5F/2G 3F/3G 3F・いずれもオストメイト対応)記載なし
かっぱ橋道具街通り約800m・160店あまり。道は比較的平坦でアーケードあり金竜公園内(オストメイト対応・おむつ交換シート)
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人力車には車いすから乗れる。スロープ付きの乗降台がある

浅草の名物である人力車は、車椅子からでも乗れます。事前予約と追加料金が必要ですが、スロープ付きの専用乗降台が用意されています。

東京都のガイドには、こう書かれています。「事前予約・別料金で、車いすからでも乗車しやすいスロープ付き人力車乗降台「バリアフリーリキシャステーション」が利用可能です。協力:時代屋」。

料金は「観光人力車30分コース/2名1台10,000円(税込)~。バリアフリーリキシャステーションは追加8,800円(税込)で利用可」。決して安くはありませんが、車夫のガイドを聞きながら、目線の高い位置から浅草の街を見られる体験です。歩く距離をほとんど使わずに街を巡れるという意味でも、移動に不安がある方との旅行では検討する価値があります。

  • 都のガイドは「事前予約・別料金」と明記しています。当日の対応可否までは書かれていないため、必ず事前に時代屋(03-3843-0890)へ確認してください
  • 営業時間は10時45分から16時30分、休業日はなし
  • 人力車乗り場にトイレはありません。都のガイドは「浅草文化観光センターを利用させてもらうとよいでしょう」と案内しています。同センターは台東区の公式案内で1階に車いす優先バリアフリートイレ(オストメイト対応・介助用ベッド設置・9:00〜20:00)があるとされています
  • 乗り場周辺(伝法院通り)は撮影スポットになっており、人力車の往来が多いので通行時は注意

移動手段としては、台東区循環バス「東西めぐりん」も使えます。都のガイドは「東京メトロ浅草駅に戻る際は台東区循環バス東西めぐりんを利用。車いす1台の乗車が可能です」と記載しています。1台までという制限があるので、複数台での利用は分乗が前提になります。

半日と1日、2つのモデルコース

東京都のガイドが公開しているルートを土台に、歩く距離を短くした半日コースと、六区・かっぱ橋まで足を延ばす1日コースの2つに整理しました。

先に注意点をひとつ。都のガイドの所要時間は「約60メートルにつき1分の計算」で表示されています。分速60メートル、時速でいえば3.6kmの計算です(この換算は編集部による補足)。ゆっくり歩く方や、車椅子を押しながらの移動、立ち止まる時間は含まれていません。下の表の時間は1.5〜2倍を見ておくと安全というのが編集部の目安です。なお都のルートでは、人力車乗り場から伝法院通りまでは人力車で移動する想定になっており、この区間と浅草神社→浅草寺には徒歩の時間・距離が表示されていません。

区間都の表示(距離は「約○m」・時間は60m=1分の換算値)余裕を見た目安
東京メトロ浅草駅1番出口 → 人力車乗り場徒歩約2分(約100m)3〜4分
人力車乗り場 → 伝法院通り表示なし(都のルートは人力車で移動する想定)
伝法院通り → 浅草神社徒歩約4分(約200m)6〜8分
浅草神社 → 浅草寺「徒歩」のみ(時間・距離の表示なし)
浅草寺 → 浅草演芸ホール徒歩約6分(約330m)9〜12分
浅草演芸ホール → かっぱ橋道具街通り徒歩約7分(約400m)11〜14分
かっぱ橋 → 東西めぐりん松が谷バス停徒歩約6分(約330m)9〜12分
松が谷バス停 → 雷門前バス停バス約15分(5停留所目)15分+待ち時間
雷門前バス停 → 東京メトロ浅草駅1番出口徒歩約3分(約130m)5〜6分

半日コース(約3時間・歩く距離を最小に)※所要は編集部の目安

  1. 東京メトロ浅草駅 1番出口から地上へ(銀座線なら2番線到着の列車が近い)
  2. 雷門 → 仲見世をゆっくり進む。混雑を避けるなら午前の早い時間
  3. 宝蔵門 → 本堂前。左手(西側)の専用エレベーターで本堂へ上がる
  4. 弁天山付近のトイレで休憩(おむつ交換シートあり)
  5. 浅草神社へ(鳥居側入口の10cmの溝に注意。境内にトイレはありません)
  6. 伝法院通りを抜けて、浅草公会堂のトイレで最後の休憩
  7. 東京メトロ浅草駅へ戻る

1日コース(六区・かっぱ橋まで/屋内の休憩を挟む)

  1. 午前:半日コースと同じ流れで本堂まで(開堂は午前6時から、10〜3月は6時30分から)
  2. 「奥山おまいりまち」を進む。入り口左側の木馬館前公衆トイレ(オストメイト対応)で休憩
  3. 浅草演芸ホールで寄席(所要1時間30分・障害者割引は要問合せ)。または浅草花やしき(手帳提示で本人入園無料)
  4. 浅草ROXで昼食と休憩。車いす対応トイレは4棟のうち3棟に1か所ずつ(本館5階/ROX2G 3階/ROX・3G 3階)。別棟への移動になるので、どの棟を使うか先に決めておくと安心です
  5. 余力があればかっぱ橋道具街通りへ(約800m・160店あまり。金竜公園内にトイレ)
  6. 帰りは東西めぐりん(松が谷バス停 → 雷門前バス停・車いす1台)で戻る。歩かずに済みます
  • ❌ 避けたい判断:1日コースを全部こなそうとして、夕方まで屋外を移動し続ける。疲れが出るのは後半です。
  • ⭕ こうすればOK:浅草ROXでの休憩を旅程に固定しておく。そこまで行けたら十分、そこから先は体調次第、と決めておけば無理が出ません。

浅草に泊まると、翌朝がまるごと得になる

浅草は朝の時間帯がいちばん動きやすい場所です。だから浅草に泊まると、人が増える前の境内をゆっくり回れます。移動に不安がある方との旅行では、この差は大きい。

本堂の開堂は午前6時(10月〜3月は6時30分)。日中の仲見世は人出が多くなりますが、開堂直後は参拝者が少ない時間帯です。宿が浅草にあれば、起きてすぐ、体力が満タンの状態でこの時間帯に行けます。

浅草には、東京都が「誰もが快適に過ごせる宿泊施設」として公表している宿があります。リッチモンドホテル浅草で、ユニバーサルツインルームが1室(29㎡・2ベッド)。都のページには最寄駅からの経路まで書かれています。「つくばエクスプレス浅草駅A1出口よりエレベーターにて地上へ。フラットな通路で、徒歩3分でホテルへ」。

項目リッチモンドホテル浅草(東京都公表データ)
客室ユニバーサルツインルーム 1室(都の一覧ページ)/広さ29㎡・2ベッド(同ページ掲載の利用者レポートより。施設概要欄に面積の記載はありません)
予約方法リッチモンドホテルズカスタマーセンター 050-3183-0414(9:00〜21:00)/時間外はホテル直通 03-5806-0255
車いす使用者用駐車場要電話予約(1泊1,500円)
貸出備品車いす/シャワーチェア
館内共用トイレ1階に1か所(車いす使用者対応)
エレベーター2基(うち1基が車いす使用者対応)
最寄駅からの経路つくばエクスプレス浅草駅A1出口よりエレベーターで地上へ、フラットな通路で徒歩3分
予約の注意

ユニバーサルツインルームは1室しかありません。しかも東京都のページの予約方法の欄には「リッチモンドホテルズカスタマーセンターへお電話ください」と書かれており、電話予約が前提の運用です。オンラインの空室表示だけでは判断できません。日程が決まったら、まず電話で客室の空きを確認してください。なお都のページは「※2024年2月の情報です」と明記しているため、料金や設備が変わっている可能性があります。予約時に最新の内容をご確認ください。

リッチモンドホテル浅草の空室・料金を見るユニバーサルツインルームは1室のみ・電話予約が前提です。まず日程の空室状況を確認してくださいPR
CHECK

東京の宿全般の選び方——東京都だけが持つ「一般客室」のバリアフリー基準や、都が公表する10施設の比較は東京 ホテル バリアフリーにまとめています。浅草以外のエリアも含めて検討するならこちらから。

行く前に確認しておきたいこと

  1. どの「浅草駅」を使うか決める。雷門・仲見世なら東京メトロ(銀座線は2番線到着が近い)、空港からなら都営浅草線。ハンドル型電動車椅子は各社の可否一覧で全乗換駅を確認(東武浅草駅は公式に利用可能と表示)。
  2. 通る駅の設備をらくらくおでかけネットで確認する。トイレが改札内にしかない駅があります。
  3. 本堂に上がるなら開堂時間内に。午前6時〜午後5時(10〜3月は6時30分から)。
  4. 車椅子は持参するか、事前にレンタルを手配するか、浅草文化観光センターの貸出を予約する。都のガイドでは浅草寺の車いす貸出は「なし」ですが、台東区が同センター1階で貸出(7台・9:00〜19:30)を行っています。
  5. 必要な設備からトイレを決めておく。オストメイトなら木馬館前公衆トイレ、金竜公園、浅草ROX。
  6. 演芸ホールに行くなら障害者割引を電話で確認する。「3,500円から(障害者割引あり、要問合せ)」と記載されています(03-3841-6545)。
  7. 人力車に乗るなら事前予約する。バリアフリーリキシャステーションは追加8,800円(税込)。
  8. 宿を浅草に取るなら早めに。ユニバーサルルームは1室のみ・電話予約が前提の宿があります。
Q浅草寺の本堂には、車椅子のまま上がれますか?
上がれます。東京都産業労働局のバリアフリー情報ガイドには「車いすの場合、本堂に向かって左側の専用エレベーターで上がることができます」と記載されています。同じページの別の箇所では「浅草寺本堂西側に本堂へと上がるエレベーターがあります」とも書かれており、本堂が南向きであることから「向かって左」と「西側」は同じ場所を指しています。本堂の開堂時間は午前6時〜午後5時(10月〜3月は午前6時30分から)です。
Q浅草寺で車椅子を借りられますか?
浅草寺そのものは「貸出なし」です(東京都のガイドの記載)。ただし街としての浅草には貸出があります。台東区が2025年3月1日から、浅草文化観光センター1階案内カウンターで観光客向けの車いす貸出しサービスを実施しており、区の公式ページには時間「9:00~19:30まで」、台数「7台」、耐荷重「130キログラム」と記載されています。予約は外出先レンタル「ベビカル」と連携する仕組みで、会員登録・予約方法・料金は同サービス側の案内によります。台数が限られるため、ご自身の車椅子を持参するか事前に手配しておくのが確実で、センターの貸出を使う場合も事前に台東区の公式ページか同センター(03-3842-5566)で確認してください。
Q境内やその周辺に、車いす対応トイレはどこにありますか?
東京都のガイドによれば、浅草寺については弁天山付近と浅草寺病院付近(いずれもおむつ交換シート付き)、そして「奥山おまいりまち」を入り左側にある木馬館前公衆トイレ(オストメイト対応設備付き・おむつ交換シートあり)です。周辺では浅草公会堂(伝法院向かい・おむつ交換シート付き)、浅草ROX(本館5階/ROX2G 3階/ROX・3G 3階・いずれもオストメイト対応)、金竜公園内(オストメイト対応・おむつ交換シート付き)にもあります。オストメイトが必要な場合は、木馬館前・浅草ROX・金竜公園から選んでください。
Q浅草神社は車椅子で参拝できますか?
できます。ただし東京都のガイドは「鳥居側入口付近に10センチメートル程度の溝がありますが、注意して進めば車いすでも問題はありません」と注記しています。前輪の小さい車椅子では引っかかる可能性があるので、この一点だけ気をつけてください。境内は舗装されており移動しやすいと評価されています。なお境内にトイレはないため、浅草寺側で済ませておくのが安全です。
Q雨の日でも浅草は楽しめますか?
楽しめます。浅草は屋内施設が近接しているのが強みで、浅草演芸ホール(1階席に車いすスペース・所要1時間30分)、浅草花やしき(ただし屋外のアトラクションが中心なので、雨天の運休状況は公式サイトで確認してください)、浅草ROX(4つのビル・車いす対応トイレ3か所)が徒歩圏に揃っています。とくに浅草ROXは4棟のうち3棟に車いす対応トイレがあり、天候が崩れた日の拠点にしやすい場所です。ただし3か所は別々の棟にあるため、移動距離を見込んでおいてください(各トイレの広さは公表されていません)。
Q浅草で歩く距離を減らすには、どうすればいいですか?
方法は3つあります。ひとつは台東区循環バス「東西めぐりん」で、東京都のガイドに「車いす1台の乗車が可能です」と明記されています(乗車できる車いすは1台までです)。ふたつめは人力車で、事前予約と追加料金8,800円(税込)でスロープ付き乗降台「バリアフリーリキシャステーション」を利用できます。三つめは浅草に宿を取ることで、朝いちばんの空いた時間に本堂を済ませてしまえば、一日の移動量そのものが減ります。

この記事は、東京都産業労働局観光部受入環境課「東京観光バリアフリー情報ガイド」17.浅草(最終更新2026年3月31日/同ページ注釈に「2026年1月現在の情報をもとに作成しています」「地図の情報は2025年9月〜2026年1月までに調査した結果です」と明記)、東武鉄道公式サイトの浅草駅情報、浅草寺公式サイトの案内、台東区「観光客向けに車いす貸出しサービスを開始します」(更新日2025年5月12日)および同「浅草文化観光センター 施設概要」(更新日2026年3月10日)、東京都「東京都内 誰もが快適に過ごせる宿泊施設」(リッチモンドホテル浅草・同ページは2024年2月時点の情報と明記)の公表内容をもとに、2026年8月21日時点で整理したものです。都営浅草線・東京メトロ銀座線・つくばエクスプレスの各駅のエレベーター基数と設置位置、および浅草寺境内の個別の設備寸法は公表資料で確認できていないため、本記事では断定していません。時間帯ごとの混雑状況の表と、所要時間を1.5〜2倍で見る目安、半日・1日のモデルコースは、公式データではなく編集部が整理したものです。料金・営業時間・割引条件・設備は変更されることがあります。お出かけの前に、必ず各施設・各事業者の公式情報でご確認ください。

※ 設備や運営状況は変わることがあります。お出かけ前に各施設の公式情報で最新をご確認ください。 本記事は2026.08.21時点の情報をもとに、すいすいTRAVEL編集部が作成しています。